くらうんあーるとばんくかく(クラウンRとバンク角)

クラウンRとは、オートバイなど2輪車のタイヤ断面の曲率半径のこと
バンク角とは、その2輪車が旋回している状態のときの傾き角度のこと

ともにレース直前のセッティングパーツとしては語られることの少ない用語である。
セッティングのまさしく要なのに……

タイヤの形状の呼び名は、単一の曲面か、複合した曲面か、で大別されていて、
それぞれシングル・クラウンRとダブル・クラウンRと呼ばれています。
クラウンとはブリヂストン独自の呼び名でトレッド形状のことで、クラウンRはそのトレッド形状の曲率半径のことです。
他メーカーではどちらもラジウスの一言で呼ばれています(シングルラジウス、ダブルラジアス)。

わざわざクラウンをつける必要があるかというと、
クラウンRというだけでトレッドのR(トレッド曲率半径)の意味だとわかるので一文字分労力が省けます……。
ただし、ひとたびトレッドについての説明時にはクラウンの文字列は不要なので四文字分無駄な労力が必要です。
このことが開発のスピードに影響していないことを祈るばかりです(合掌)。

このクラウンRとバンク角を併記して説明する最大の理由は、
オートバイの最大の醍醐味である「旋回中の雰囲気」を決定づけているのに
あるいはコーナリングを極めるうえで重要なファクターであるのに、という点です。

通常バイクの構造上の特徴を談義して楽しむときの用語は次のようなものが有名です。
キャスター角だの、トレールだの、ヘッドアングルだの、ストロークだの、イニシャルだの、ホイールベースだの……
それらを踏まえ曲がりやすいとか、切れ込むとか、オーバーステアとか、アンダーステアとか、タチが強いとか、チャタリングが、とか。
これらのジオメトリーは図解をまじえて詳細に解説されているのにです。

クラウンRもバンク角も、あまりこの場面に登場してこないのです。

それでは、ご登場願いましょう。

まずはクラウンR。

クラウンR値は、通常タイヤ接地面のグリップの分布を決定づけます。
接地面のグリップが、シングル・クラウンRは主に中心に作用するのに対し、
ダブル・クラウンRの場合は中心ではなく旋回に対し外側と内側にグリップ力が働きます。
キャンバースラストが強力になるということです。

ダブル・クラウンRは単純に面積稼ぎのように紹介されていますが……こちらではどうでしょうか?
ダブル・クラウンRはシングル・クラウンRに比べ次のような特徴があります。

  • 想定したバンク角において面圧が低くなり、キャンバースラストが大きくなる。
  • バンク角により面圧とキャンバースラストの値が大きく変化する
  • 振られたときとか大変

もうひとつ、
クラウンRの値をもってタイヤが路面上でバンク(角度の変化)を行うときの中心点が決定づけられます
(接地面の垂線と車両の中心線の交点のことです)※。
この中心点は何かというと、路面からのショックを受ける打撃点です。
自転車並みの細いタイヤ(クラウンRが小さいタイヤ)はタイヤそのものに打撃を受け、
極太(例えばクラウンRが17インチ)のタイヤはホイールアクセルあたりに打撃を受けたりします。
通常、前後のタイヤでそれぞれ形状やクラウンR(R)は異なるので上記の2例のチャンポンになります。

前後のクラウンRの値の差が大きいと、なんとなく傾向としてはチャタリング系になります。
前後の挙動が、直線時に比べると、リアがサスペンション的で、フロントがタイヤ的になります。
この値が逆の場合、リアがプルプルすることになるでしょう(多分)。

※クラウンRはタイヤ幅よりも便利で、バンク中のその瞬間のタイヤ幅?を求めることができます。

次にバンク角です。
(クラウンRからも計算できる)タイヤの幅とバンク角をもって正面から見たライダーとバイクを合わせた重心点がわかります。
バンク角に伴う前後の重心の移動値も。前後のタイヤ幅の違いによるフロントタイヤの切れ込み具合(オーバーステア度)なども数値化できるでしょう。
この時の、見た目のバイク単体のバンク角と、路面との接点と重心点とによる実バンク角との差は、
静的に構成されたバイクそのもののジオメトリーにより算出できますが、ライダーの意思によりこの差を増減することもできます。
バンク角の違いにより、ライディングフォームやトラクション量、その他の荷重変動などもあわせて、
期待する挙動、あるいは挙動の抑制を期待することが可能といえます。

 

 

ここ最近はスライド全盛なのでダブルアールだとしてもコントロール性を重視して極端な三角タイヤは影を潜めてきました。
そしてパワーの割にタイヤが細くなってきて、よりタイヤを長持ちさせることが重要になってきて、
そしてF1並に面白くな 。

 

 

当然のように非力なMoto 3が面白い。

 

 

タイヤメーカーは、せめてワンメイクの時期に、路面のミューや気温などの外部環境と測定用のバイクを含めて、このクラウン形状とか、クラウンRとか、前後のタイヤ幅によるバイクの挙動の傾向を提示してくれると、よりレース観戦・レース談義が盛り上がると思うのですが……
(あとタイヤメーカーと直接つながりのないプライベートチームやライダーたちが幸せに)。

 

このバイクで後乗りの練習をすると効果が解かりやすいかも

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このバイクで制動力に関してはまだまだ上があることが証明されています。(ELFもそうだったけど)

このバイクで制動力に関してはまだまだ上があることが証明されています。(ELFもそうだったけど)

コメント

    • タキド
    • 2018年 9月 24日

    一次旋回の9割がこれで決まるのに誰もその事について言わないのが不思議です。

    こんなに色々考察してるの初めて見ましたが洋書の翻訳なのですか?書籍化されてますか?

    • superjetter
    • 2018年 10月 18日

    コメントありがとうございます。
    不思議ですよね。

    トップライダーは状況をつたえさえすれば、自動的に対処されたバイクが差し出されてくるからではないでしょうか?
    そしてトップライダーではない者の意見などだれも聞かない・・・

    洋書は英語出来ないの論外で書籍もレース始めたころに読み漁った程度です。
    ネタは実体験の範囲内からで、やったことがないことは知ったかぶりしないようにはしています。
    大抵のことは当たり前のことを書いているだけのようですが、あまり受けいられないようです。

    書籍化は文書力がないので・・・

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