選らばれし者にしか与えられない、限られたチャンスを見事にモノにする方法を紹介します。

その栄冠はライダーに捧げられますが、立役者はほかでもないサインマンかチーム責任者です。
ただし生真面目なライダーは、これではない別の栄冠を望んだりするので、なるべく秘密裏に行う必要があります。

なかなか実力を発揮できず厳しいシーズンを送っているさなか、やっとチャンスが廻ってきました。
トップ争いとして毎週バトルを繰り広げるなか、トップチェッカーを受ける作戦も実を結びそうです。
特にこんな時に、めったにないチャンス活かすべく「早くレースが終わってほしい」と思ってしまうライダーには効果てき面です。

しゅうかいすうのまちがえさせかた【周回数の間違えさせ方】

ライダーに優勝したと思わせガッツポーズをさせるが、実際にはレース途中のため恥と落胆を与え、成績ではなく話題性を優先する戦略を成功させる方法。
競技中のレーシングライダーの思考能力のご都合主義が見事に花咲く瞬間を利用する。
ただし、当該周に2位以下に甘んじるようなノレてないライダーには効果がないことが知られている。

スタッフ、責任者は次のようにライダーに対し行動します。

  • 日時の行動で信用を獲得します
  • あわよくば勝てるバイクと環境を提供します
  • レース中の戦略の決定権はチームにあることをライダーに周知徹底しておきます
  • レース中のピットから提示する情報や指示するサインをライダーと相談して取り決めておきます
  • 特にLAP表示はカタルーニャで失敗しないように最終ラップがL0(ラップゼロ)になるようにします
  • ライダーからのサインも決めておきます
  • レース中はライダーの為に積極的に情報を伝えます。

そして、

  • ラスト2ラップの時に次のようにサインを伝えますP2  (1周前の順位)
    L1

以上です。
後は運天です。


 

この、だれも望んでいない勘違い、なぜ同じような失敗を繰り返すのでしょうか

これはスタッフサイドの大きな勘違いから生じていると思います。

そして、対策法をライダーに依存させてしまうという、間違いを犯します。

これは、スタッフや責任者がライダーのことを、
「特別の、選ばれし、すごい、賢い、えらい、あるいは普通の人間である」と誤認しているからです。

サインボードの見逃しや勘違いはライダーに責任はありません。
これぐらいはスタッフの努力で解決すべきです。※1

ライダーに対処法を求めてもいけません。
見逃しや勘違いに対して、ライダー自身が行う対処法はほとんど役に立ちません。
「注意するとか」「理解する」とかアクションを追加することがほとんどだからです。
そもそもできなかったアクションへの対処法にさらにアクションを追加してしまうからです。
それはライダーの自尊心や自信やその他不明な特徴を自滅へと追い込むことになりかねません。

ライダーは別に正確無比な必要はありません。
ライダーのムラが時として奇跡を呼び起こし、
スタッフはその奇跡の根本性を物理的に補い、盤石の基礎を築いていくのが役割でしょう。

具体的に対処していくに当たって、ライダーの評価はレース中の状態で見積もることが必要です。
ライダーにレース中の作戦を親切丁寧に説明しても無駄です。
ライダーに複雑なルールなどを説明するのではなく、
説明の必要などない、誤解のないユニークな情報をはっきりと伝える方法を用意すべきなのです。
いっそのこと「走行中のライダーはチキンである」と認識しておくほうが良いということです。
鶏は右を向いて元に戻って前を向いたらもう忘れてしまうぐらいおバカです。
実際にそれほどでなくても、そのつもりで準備をしたほうが良いときもあるということです。

例えばライダーはこんな感じでとらえます。

サインボードではポジションやラップが表示されます。
ポジションは前周のストレートの順位だったりする中、
ラップは残り周回数です。微妙に違和感を感じたりしています。
さらにサインボードを見た瞬間にすべてが頭に入るわけではなく
牛の反芻のように、じんわりと思い出して判断や認識したりすることもあります。
そもそも1周前のラップタイムを実感するためには前周ではなく2周前を思い出すという離れ業が必要なタイムを目にします。
最近はマシンのディスプレイを見たほうが早いという意見もある中、脳は一応処理を進めていきます。
そんな中”L1”のサイン。
残り周回あと1周。
「あと1周」、「もう1周」の解釈は微妙です。
通常なら問題なくてもレース中は微妙です。
これをどこで考えるかでも微妙だし、1周とは丸々1周で残りの中途半端な周のことではない、
と、いきなり持論を展開しだしてしまうかもしれません。
そして「あと、丸々1周」、「もう丸々1周」とぼんやり考えてしまうかもしれません。
「用紙次の周がラストラップだ」。
そうして、それはそれで解決済み。次のことで頭をいっぱいにしていきます。

この場合はさらにもう一周あるつもりで、抜けるのに抜かないで損をしてしまいます。
実際に何度もそういうアクシデントは起きています。

このアクシデントの回避策として最終ラップは”L0”が浮上。
これなら間違えないであろうと。
たしかにこれなら余計に周回してしまうことはないでしょう。

しかし、これで逆に1周少なくカウントしてしまうこともあり得てしまうわけです。

サインボードの残りラップ表示の仕方に種類が増えてしまいました。

ラストラップに”L1”のサインを出している他のチームは、
”L0”のサインをチェッカー後に表示したりします。
またチェッカーラインよりもピットが前の場合もあります。
さらに自チームのサインボードではなく他のチームのサインボードで情報を得てしまうときも多々あります。

事情を知らない観客は、どちらにしても一見しただけではどちらだかわかりません。

最悪なのは、ライダーに選択の為に思考が必要な情報を伝えてしまうことです。
また当初との取り決めと違う情報を伝えてしまうことです。
ともに伝わらない場合もあり勘違いしてしまう場合もあります。
余計な思考を行うためのエネルギー、あるいは集中力を浪費してしまいます。
これではライダーを。せっかくのチャンスから遠ざけているようなものです。

レーシングスピードでの脳力の低下は尋常ではありません。
視野特性はストレスや視野によりどんどん狭まり、視界の狭まることによる情報不足感。
それに実際に低下する脳力のなか、他のアクションへの振り分けのためなど、平時よりは判断力は確実に劣っているでしょう。
このような状態の中では、レース前に取り決めておいた記憶も呼び出せない場合もあります。
また呼び出せても、確信が持てないことがあります。
1周前のサインボードをしっかり覚えているかどうかも疑問でしょう。
特に同じ選択肢でも場面により解答が異なる場合は要注意です。
脳力の落ちた状態での判断は必ずご都合主義です。
平時とは異なる判断になるときもあるでしょう。。
間違いを犯しそうなときには常識のかけらも、きっと作用していないことでしょう。
このようなことから、ただでさえ少ない時間の中で、「普段よりはおバカな脳が下す判断」はあてにすべきではないでしょう。

加えて、レース中のライダーの状態をライダー自身に問い合わせても、正しい答えは返ってこないと思ったほうが良いです。
「レース中の俺はどうしょうもなくバカだ」とはいいません。
また実際に作戦が成功したときでも、ライダーには1周以上のクールダウンの時間が与えられてしまいます。
勝利を手中に収められる位置にいるライダーのコメントは身内には攻撃的ではありません。
そんな答えを聞くまでもなく、もしもレース中のどのような場面でも、本当に冷静沈着なライダーがいたら考え物です。
そのライダーは開発ライダー向きでしょう。
なぜなら、時として能力を超える一流競技者の、競技中の状態は次のような状態だったりします。※2

  • 涎を垂らしている
  • 舌をだらりと垂らしている
  • 曲が流れている
  • 神が見えている
  • 神になっている
  • 無心である
  • 何も見てない
  • 記憶がない

まさしくというか、できればこういう状態になるような環境を作ってあげるのがチームの仕事です。

この状態で走ってもらうためにはボタンだらけのF1のハンドルよりは、3輪車のハンドル、
細かい取決めよりは、陸上のトラック競技などで行われている最終ラップに鐘を鳴らすような、例えば専用のボードを見せるなどのユニークなアクションのほうがシンプルで間違いもなく、余計な浪費もなく競技に没頭できることでしょう。

舌をだらりと垂らしている競技者にたいして、「冷戦沈着でしたか?」はちょっと異種通信というか、お互いが分かり合えることはないと思います。

レースはケースバイケース、試行錯誤な競技です。
チーム単位での特別な取り決めやルールもあることでしょう
いろいろな作戦もあるでしょう。
そしてそれらは競技中に変更が必要になることもあるでしょう。
しかし、ライダーに送るメッセージは単純明快にしてあげましょう。

さて、あと何週でしょうか?

さて、あと何週でしょうか?

 

では。

この記事には悪意や個人攻撃等はありません。

 

周回数の間違えさせ方 (新解明国語辞典)でした。

 

※1
レース後のコメントはチームコメントが先に一票
必要以上にスポンサー対策されたコメントは面白くないので。

※2
このような状態が本人ベストの証だったりします。

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