イエローカードの憂鬱(トライアル世界選手権)

イエローカードの憂鬱(トライアル世界選手権)

イエローカードの憂鬱(トライアル競技)

鈴鹿の全日本ロードレース選手権ではなく、もてぎの2016 FIM トライアル世界選手権 第2戦 ストライダー 日本グランプリ DAY1に来ています。

その競技中にちょっとして出来事に遭遇しました。

観客としてはモヤモヤとした、そしてもし自分が参加当事者だったらたまったものじゃないと思った出来事です。

そうオブザーバーの裁定です。

「オブザーバーの決定は最終決定である」ためにはそれなりにしっかりしてもらわないと困るのです。

組織はその信頼を失わないように努力しないといけない思うのですがねえ・・・ という愚痴です。

 

前途多難

今まで欠かさずもてぎのトライアル世界選手権を見に行っていたのですが、今回初めてイエローカードが提示される場面に出くわしました。

イエローカードというそんなレギュレーションの存在自体を知らないことはお恥ずかしい限りなのですが、もう一つ知らなくても仕方がない理由がありました。

それは、リザルトにイエローカードが適用されたことは明記されない、ということを知りませんでした。

つまり、その場に居合わせないと後から知るよしもないのです。

ロードレースではペナルティの裁定が下った場合はその理由とペナルティの内容が当然記載されるので、今回トライアルでは記載されていないことを知ったのは驚きでした。

トニー・ボウ イエローカードにより出走できず

正式な理由の書かれているであろう書類は公開されないと思われるので、その場でのやりとりのみになります。

以下概要です

  • トニー・ボウは第一ラップの第8セクションでコースの下見時の違反行為によりイエローカードの裁定が下り、第8セクションを走ることができませんでした。
  • 理由はコースの下見時にオブザーバーの指示に従わなかったこと
  • その指示内容は下見を終えスタート地点に戻るトニー・ボウに「コースに出るように」という指示を無視したからです。
  • オブザーバーはその行為に対し「イエローカードを出すよ〜」と多分他のオブザーバーに宣言した上で、試技をスタートしようとするトニー・ボウにイエローカードを提示しました。
  • トニー・ボウは「違反行為などしていない」というようなアクションを起こしました。
  • オブザーバーは三回も警告したといい、トニー・ボウはそんなことは聞いていない、というようなジェスチャーをしたのですが、無視され、走行をさせてもらえず、スタート地点からバイクをUターンさせられてしまいました。※1
  • そして、ルールに則り必要な書類が事務局に届いたのち受理され、正式に減点5になりました。

これ、一見問題なさそうなのですが、微妙にまずいと思いました。

イエローカードの存在自体知らなかったのでFIMの国際レギュレーション和訳と国内レギュレーションと入手したところ、FIMの和訳は誤訳じゃないかと思われる箇所があったので原文も見比べました(原文はまともなルールでした)。

ついでにトライアル委員会の議事録を入手して確認したのですが、やっぱり色々微妙だと思われるので、この記事を今書いているわけです。

もちろん個人的な見解でしかないので、皆さんはどう思いますかという問いかけです。

前途多難と思われる理由

(前途多難な一番の事項は目の前で見ていた私と連れがレギュレーションなんか知らないということなのですが)

レギュレーションの問題

オブザーバーは日本人なのはいいとして、本大会は世界選手権なので国内トライアル競技のルールとその解釈は国際試合に適用してはいけないと思います。

その前提で規則書を見ると、

イエローカードの箇所の国際大会のレギュレーションのMFJの和訳が正しくないというか、適切でないこと。

和訳の「事前警告後も彼らの内ひとりでも オブザーバーの指導に従わずに決定に反論したり、乱暴な振る舞いをした場合、 当該ライダーはイエローカードを受け取ることとなる。 」、これでは”反論したり乱暴な振る舞いをしたらイエローカード”と受け取れたりするので、受け取り方次第というまずい書き方です。

これでいうと、トニー・ボウは(従わずに)無視しただけでイエローカードをもらったことになります。

これは国際ライダーから見たら、必要な手順を踏まずに5点減点させられたことになります。

しかし国内のレギュレーションと国際のレギュレーションを比べた場合、国内のほうは選手に通知をせずにいきなり通告しても良いようなルールのようです(わかりにくい翻訳するくらいなので正しい解釈不明)。

また、他のオブザーバーさんが裁定が微妙なときとかわかりにくい時には観客にも説明したりすることがあるのですがそれもありませんでした。

 

ここまでならただの微妙です。

観客は見た

観客の約2名はそのセクションに早くから乗り込み、そのオブザーバーの目の前で観戦していました。

当然そのオブザーバーが常に視野に入るので目についたのですが、そのオブザーバーよく働いていました。

ジャッジをするのは当たり前ですが、その他に、クリーンできなかったライダーの誘導と、コースの状況を変えようとするランキング上位の常連ライダーへの「ノンノン」という警告です。

問題点その1

問題はそのオブザーバーの指示を皆無視していたことです。

というより指示がわかりにくいし、ノンノンの声がおしとやかなのです。

そして日本人特有のおしとやかな顔とノージェスチャー!

この特徴は試技中は問題にならないことだとしても、下見中は微妙です。

特にライダーが確信犯ではない場合、何をしでかしたのかわかりにくいのです。

そして下見中のトニー・ボウにもノンノンしました。

ここも微妙なのですが、8セクションは瓦礫の山を単純に上るだけのセクションで最初のうちはともかく、今日のコンデションでは後半になればなるほど上位陣には楽なコースになっていました(普通にオールクリアーな箇所)。

わざわざ、コースを変える必要などなさそうなところを蹴ってました。

トニー・ボウはそのオブザーバーの前を通り過ぎスタート地点に戻り始めました。

戻り始めてる時点でこの蹴ることへのペナルティはなしと見受けられます。

そこで問題の箇所です。

スタート地点に戻ろうとするトニー・ボウはコース内を歩いて戻っていました。

それに対してオブザーバーは、三回言いました「ノン」「ノン」「ノン」。

トニー・ボウから距離の離れた背後からからおしとやかにです。

コース内を歩いて戻ってはいけないらしいことは、トニー・ボウの前に他の選手にも外に出なさいという指示をしていたことで私たちにはわかりました。

ただコースによってはそれは当たり前のように皆行っているように見受けられる行動でしょう。

・・・

その「ノン」「ノン」「ノン」を無視してトニー・ボウは岩を蹴散らすわけでもなく普通にバイクのところに戻ったのですが・・・

裁定はイエローカード。

せめて警告中に笛でも拭けばいいのにそれも一切ありませんでした。

ということで、問題点1は相手に伝わらないのに三回警告したと断言するような行為はまずいでしょうということ。

トニー・ボウな警告中に振り向いてもいないので何かが起きたとは気がついていません(当然逆らったわけでも暴力振るったわけでもない)。
そんな状態のところに、いきなりイエローカードを提示されても何のことだかわからないので抗議するのは当然の権利でしょう。

しかし、オブザーバー目線でルールを読むと、抗議を受け付ける必要はなく、議事録的には毅然としろみたいな・・・

MFJ委員会の目論見である、見せしめ行為は、これでは逆効果になってしまいます。

正しくライダーに伝わるようなジェスチャーを身につけるなり適任者を選ぶなりの見直しが必要ではないでしょうか

※1
トニー・ボウが自分から試技をしなかったという見方が成り立つのは、リザルトに減点5がすぐに反映された場合です。
減点5がモバイルの速報に反映されたのは大分時間が経過してからでした。

 

 

問題その2

もう一つ、今回の(日常茶飯事の)この事件を規定時間内に反論する術なんかない!ということです。

レギュレーションに参加者の正当な権利を行使する暇などないということになっていまします。

厳しいルールには厳しい統制があってこそ成り立つものです。

そして、観客がライダー、およびオブザーバーの不正を見つけてもそれを伝えるような仕組みはなさそうでした。

気になったので、まずは他のセクションのオブザーバーとオフィシャルに聞いてみました。
(8セクションのその方はチーフオブザーバーなので)

私「大会の運営なり、裁定に対して急ぎで観客が物申す手立てはありますか?」

オブザーバー「事務局にフランス人のチーフがいるのでそいつに聞いてくれ」

私「外人さんですか?」

オブザーバー「この大会を仕切っているのはそのフランス人だ」

 

そして、そこに行ってみました。

観客は入れないじゃん・・・

でそこをたまたま通り掛かったMFJのお偉いさんを無理やり呼び止め、お伺いをすることができました。

表彰式前の忙しい時期ににもかかわらずとても親切に答えていただきました。

私「オブザーバーの裁定に、とても不信を感じたのですが、クレームなり提案なりを受け付けてもらえるような窓口はありますか」

MFJ「大会を仕切っているのはもてぎなのでもてぎのお客様問い合わせコーナーか、もてぎの係員に伝えてください」

私「そういうのはMFJなり、FIMじゃあないのですか」

MFJ「運営はもてぎが仕切っているのでまずはもてぎに」

 

そもそも微妙な内容だしトニー・ボウの順位に変動はないし、面倒なのでここまでです。

 

問題その3

コースの改修?は上位陣は皆当たり前に行うことで、オブザーバーは頭を痛めていることなのでしょう。

別の箇所でもイエローカードをちらつかせている箇所に遭遇しました。

そこでは先のトニー・ボウ以上にコース改修に熱心な藤波やその他大勢には警告もなく、他の選手の試技中にも退去の指示はありませんでした。

さらに完全な5点減点をしたライダーがオブザーバーにしつこく抗議した際にイエローカードをちらつかせたのですが、結局お咎めなしでした。

あれ、すでに5点減点してたら意味なし? それとも、トニー・ボウの試技を止めたのは間違い?

試技後のイエローはこの場合合計10点減点で、

トニー・ボウは走らせてその減点プラスイエローカードの減点5もプラスじゃないと色々不公平じゃないのか?

 

 

微妙なだけに

大きくは間違ってないのに、結果として不当な扱いを受けてしまうような、ルールや体制こそ、積極的に取り組むと顧客満足度的には良い活動だと思うのですが。

今回もてぎの運営には何も不備はありませんことを付け加えます。

もてぎのリニューアルされたホームページから、茂木サーキットの住所が一切見つからないことや、動くメニューでと本大会の文字がどうやっても読めない箇所があるという、デザイン重視すぎてユーザー目線が消えているのも残念です(ついでに三菱も)。

ということで、こういう微妙なのは、いくら頑張っても無駄に終わるのが目に見えてるので、こういうところで愚痴るしかないという悲しい現実・・・

 


リザルト

http://www.twinring.jp/result_m/2016/big/pdf/0423_gp_f.pdf

繋がりにくい時は

 

 

全日本トライアル選手権大会特別規則 fusoku20

14イエローカード

14-1 オフィシャルの指示に従わない攻撃的な言動、その他不正行為に対してイエロー カードが提示される。 14-2 オフィシャルはカードの裏に当該ライダー(アシスタント等含む)のゼッケンを記 入するとともに、その行為について内容をメモする。
14-3 そのカードはただちに競技監督に集められ、ペナルティーを与えるかどうかの提 案とともに審査委員会へ提出される。
14-4 審査委員会はカードを確認し、ペナルティーを与えるかどうか判断するとともに 再発防止のためにその行為を記録する。
14-5 たびたびイエローカードを受けるライダーには、更なるペナルティーが科される。
14-5-1 違反1回目:5点加算
14-5-2 違反2回目:5点加算
14-5-3 違反3回目:失格 15 

 

FIMのトライアル大会のレギュレーション イエローカードの箇所抜粋

5.19 Yellow cards
1. Each Chief Section Observer shall be issued with a “Yellow Card”. The
“card” shall be A6 in size (to fit into a pocket) and made of a rigid
material (cardboard or plastic).
2. The Section Observer must give a Yellow Card in the following cases:
3. The Section Observer gives instructions to the rider and/or his assistant
depending on a situation or a person’s behaviour. If, after being
formally warned, one of these persons refuses to follow the Observer’s
instructions, disputes a decision or behaves in a disorderly manner.
4. After the Chief Section Observer has communicated the incurred
penalties, a rider or his assistant argues with a Section Observer or the
rider dismounts from his machine and walks inside the Section.
5. The issuing of a yellow card is a statement of fact and therefore no
protest can be received in conformity with Art. 4.1 ofthe FIM Disciplinary
and Arbitration Code. The Observer shall then complete a copy of the
notification form and submit this information to the Clerk of the Course
to transmit, on pain of nullity, to the Results Manager as soon as possible
after the incident and at the latest 1 hour after the incident and, at
all events, before the Clerk of the Course has signed the provisional
results.
6. For each offence in a Competition: 5 penalty points +
notification to the
Race Direction who
will decide on a
financial penalty.

国際レギュレーションのMFJの和訳

 5.19 イエローカード
1 各チーフセクションオブザーバーには“イエローカード”が発行される。この“カ ード”はA6サイズ(ポケットに入る大きさ)で丈夫な材質(厚紙、またはプラ スチック)でできたものとする。
2 セクションオブザーバーは下記の場合イエローカードを通告する。
3 セクションオブザーバーはライダー及び/または彼のアシスタントに対し状況ま たは取られた行動について指導をする。もし、事前警告後も彼らの内ひとりでも オブザーバーの指導に従わずに決定に反論したり、乱暴な振る舞いをした場合、 当該ライダーはイエローカードを受け取ることとなる。
4 チーフセクションオブザーバーがペナルティーを通告した後に、ライダーまたは アシスタントがセクションオブザーバーと議論したり、ライダーが車両から降り てセクション内を歩いたりした場合。

 

 

 

MFJ 委員会レポート 2012 第 1 回トライアル委員会

7. イエローカードについて

大会中の不適切行為に対するイエローカード提示について、警告から始まり、よっぽどの行為が無いとの認 識が強い。しかし、イエローカードを提示した時には既に違反行為の後であったりする為、定義づけが必要で はないか?との提案がなされた。 開幕戦でオブザーバーに対して、イエローカードの提示に対して躊躇しないよう指導する。 ライダー・アシスタントフリーフィングにおいて、違反行為に対するイエローカードは積極的に出すことを伝え、 違反行為の予防を徹底する。

憤懣やるかたないイチファンをよそに、肝心のボウは

今日は負傷しているのに2位になれてよかったみたいなコメントしてる・・・

そして藤ガスこと藤波貴久は3位表彰台! 二日目も期待です。

 

トニー・ボーのサイン

トニー・ボウのサイン

 


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