峠の走り方(上り坂と下り坂の違い)

峠とは

峠というところは危険なところです。
無謀、あるいは拙いドライバーの運転する四輪車や二輪車、はたまた猿・猪・馬・鹿までがいつ何時自分のラインを妨害したり、踏みつぶしに来るか分かったものではありません。
そして悲しいことに第三者から見たとたん自分自身もそれらの危険分子の一員とみられてしまうのです。

ここは一発!誰よりも安全に走って見返してやろうじゃないですか!

峠を安全に走るということ

定義

峠を安全に走るということの定義を、誰にも迷惑をかけないで、自分も怖い思いをしないで、普通に家路に着けることと定義してみます※。
まあ自分的には転ばず、ぶつけず、壊さず、怪我をせずであればよいということでしょうか。
第三者や他人には物理的な損害を与えないのはもちろんですが、怖い思いや、痛い思いや、不要な出費や、不快な思いをさせず、スカッとした気分にさせてあげればよいということでしょうか。

※法を遵守するのは言うまでもないことです。

具体的には?

  • 転ばない
    まずは大前提ですね。不幸にして転んだら起き上がる(自分で起きあがれるということ)。
  • 思った通りに走る
    思い通りに走れないことの本人への憤りはともかく、そのような走りをハタから見ている第三者が補うことはできません(避けてくれる確率が下がります)。
    何をしたいのか、どこに行くのか皆目見当がつかないというのは、相手に恐怖心を埋め込みことにつながります
  • 人より安全に走る
    峠というかツーリングとかの特徴は他人と一緒に走るということがあげられます。これは低次元か高次元かはともかくサーキットでレースをしているのと対して危険性は変わりがありません。レースでは相手を追い抜きたいという希望があるのに対し、峠やツーリングでは相手と一緒に走らなければいけないという暗黙の義務みたいなものが求められているということです。これはどちらも、相手はクリアできるのに自分だけが転んでしまうような危険性が常につきまとっているという意味では、安全性というのは相手より優位に立つというのがポイントになります。

考え方

峠特有のライディングかどうかはともかく峠でのライディングをする時に気をつけるべきことは、転ばないこととぶつからないことだと思うのでそれに沿って展開します。

ラインを選ぶ

峠固有のラインがあるとしたら、まず見通しの悪さと失敗した時と転んだしまった時に少しでも優位になる選択を優先するということです(優先です)。

ボトムを上げる

なぜなら一番低いところが表面化するからです。とはいえ苦手な部分を全て克服しましょうと言われたって厳しいと思います。そうではなく選択肢的にわざわざ危険なものは選ばない方が良いでしょう、といこと。それはテクニック的なことはもちろん、ライン的なこととか、考え方そのものからも、ハイリスクな方法を選択しないようにすることでボトムラインが上がり、それこそが安全につながります。

ちなみにボトムを上げるということは危険性の平均値をあげるということで、ボトムラインを危険性の平均値に近づける、あるいは全てのポイントを平均値に近づけるような行為と同義です

 

峠の安全な走り方

登りと下りと右コーナーと左コーナーとのそれぞれの走り方を説明します。
当然フラットな路面での自身の走りと比較しての特徴と思うとよいでしょう。

ここでの走り方の説明にクリッピングとかピークとか多用します。あまり馴染みのない呼び方をするかもしれないのでそれについての説明を書いておいたので参考にしてください。➡️ クリッピングについて

下り坂のライン取りとクリッピング

(数いる著名な方々と同じこと言ってもしょうがないので別のこと書きます)

ズバリ! くだり坂のライン取りはインベタで倒し込みはクイックに!です。

先に言っておくと 上り坂のライン取りはミドル(ベタ)で倒し込みはそこそこに!です。

さらに、下り坂の倒し込みのズバリは、倒し込み初期にピークをもって来ること。

倒し込みのクリッピングポイントは倒し込み初期にあるということです。

これも言っておくと上り坂の倒し込みのクリッピングポイントは倒し込みの終盤というかバンキングが完了した頃に持っていきます。

加えてクリッピングラインのカーブは下り坂を急激に、上り坂は逆に穏やかなものに設定します。
(クリッピングラインとはアクションの強弱や派手さの変化のラインのことです)

 

なぜ、一般的には危険とされているような走りをここで提案しているかを説明します。

それは、ボトムラインが別のところにあるからです。

例えばここのバンキングを丁寧に安全に行った結果のしわ寄せがどこかに及んでしまい、そのしわ寄せの及んだ箇所で転倒してしまうのでは意味がないということです。

そして同じ転ぶのであれば少しでも安全なところで転ぶ方を選ぶべきではないかということです。

改めて下り坂のライディングのその方法を解説します。

まず、どうせ転ぶのなら、インから転んだ方が生還率が高いということがあげられます。

「下り坂は転びそうなので転ばなそうなライディングをしたい」はその通りだとしても、「下り坂は転倒の確率が高い」ということを正しく解釈すべきで、転倒が避けられないなら転倒した時の安全性を考慮することが必要です。であれば滑走路が長いインベタを選択すべきです。

同様にバンキングで転倒するのとバンキングが終了して、いわゆる旋回中に転ぶより対向車的にも同じ車線の車(二輪も)的にも避けてもらえる率が微妙に高いような気がするからです(実証値はありませんが)。

上記のことに加え、一番の理由は、下り坂は道路がくだっていることです。

平坦に比べたらトラクション(グリップ)的にも不利な上に、減速率が低い、スピードが思ったより落ちにくいことが特徴となります。

この状態で倒し込みのクリッピング(アクション的にクイック度のピーク)を終盤に持ってくることはボトムラインが危険性の平均値から遠のくことを意味します(より危険ということ)。

例えば周りのライダーがクリアしたのに自分だけが転倒するというのはそういう幅のある(=危険な)走りをしているからと言えるでしょう。

 

対して上り坂というのは道路が登っているので、気がつかないうちに速度が落ちやすいということが特徴です。

先の周りのライダーとの併走している場合のことを考えれば、速度が落ちることが必ずしも安全性につながるわけでないことはお分かりでしょう(遅れたらどこかで取り返さないといけないということ)。

無駄なロスタイムを生じさせない、速く走れるところは速く走っておくことが安全性につながるということです。

(峠なので速く走る必要はないので)言い換えると、一番速く走れるライダーが一番安全なライダーであると言えるということです。

下り坂はこの理論というか考え方でまあまあ納得できたとして、上り坂がよく分からないということへの説明は、この説明した通りの走りのほうがロスタイムの発生率や量が少ないということです。

例えば正しく上り坂の減速率みたいのを見立てられないことに対し、速度調整がコーナリング中の全域で行うことがたやすいからです(下り坂に比べて)。

したがって上り坂の場合は基本オーバスピードの中でコントロールすることが推奨されるのです。一発で決めるのではなく実際に様子を見ながら調整するのが効率の良い走りとなり、きっちりブレーキングをしてクイックに倒しこむという操作では、速度を落としすぎた時のリカバリーができず逆にどんどんロスタイムが積み重なってしまうからです。

ライダー的にはオーバースピードで進入ことに重点を置いて、華麗なバンキングなどは二の次にするということ、オーバースピードはなんとでもなるけどロスタイムは致命的ということです。

対して下り坂はロスタイムは取り返せるけどオーバースピードが致命的になるということです。

バンキングを穏やかにするということは旋回半径を無駄に小さくしてしまうということにつながることでもあります。

 

最後に右コーナーと左コーナーとのラインの違いですが、実は大した違いはなくそもそも基本想定ラインは四輪車の轍と同じところ※を通った方が安全であるということでインベタなラインベタ、アウトならアウトベタなままの方が安全だということを忘れずにその時の見た目で決めればいいとして、上りの右コーナーをインベタ(もちろんインとはセンターラインのことです)で走っている時に対向車がはみ出してきた時に、減速行動がよりイン側に向かって行ってしまうことがあるため登りはアウトベタの方が安全という場面もあるということをお忘れなく。

※轍の中を走るか外を走るかは状況次第で決めましょう。

ということで、峠を早く走るためには、危険なところを安全に走るために、安全なところではしっかりそれなりに(速く)走っておくことでトータルの安全性を高めるというライディングも一考の価値ありです。

 

以上峠の走り方(上り坂と下り坂の違い)でした。

これであなたは誰よりも峠を安全に走れることになったので自信を持ってゆっくり走ることができます。

そしていうまでもないことですが、これは自身のライディングを安定したものにするためであって、極端な走りになってしまったら本末転倒なことをお忘れなく。

 

 

 

 

そして今回の考えが一番効果を発揮できるのはサーキットなのは言うまでもありません。

クリッピングポイントとクリッピングラインを制するものが!

 

 

補足:

下り坂で急激なアクション?

下り坂でクイックな倒し込みは危険だ! と思い込みがちですが、テクニック的に問題がない場合、一番フロントタイヤにトラクションのかかっているブレーキングの終盤こそが一番安全な瞬間であるといえます。逆にここ以外でクイックにすることのほうがはるかに危険であり、すべてをスムーズにすることの欠点は技術力がなかなか上がらないことです。満ち足りていればまだしも、技術力が不足している時にスムーズさを求めると全体の芸術点はかなり低いものになり、今回のような他のライダーと一緒に走るようなことが想定される場合、芸術点の低い走りを選択することは危険行為と判断することができます。なので、このクイックな操作の瞬間を危険だと思う時点でブレーキングからバンキング付近でのテクニック不足か、色々理解不足だと思います。必要なテクニックを用意してから「走り方」を極めるのが手順です。このサイトでは必要なテクニックは積極的に身に付けた上で、そのテクニックの使い方に頭脳を使おうというサイトであり前提であることをお断りしておきます。(異論はあると思いますが程度の問題ということで歩み寄ってみてください)。

減速帯の走り方

減速帯の目的がスピードを抑えることであったり、次元を低くしたり、世のレジャー人口を減らそうというのであればその通りにしてあげましょう。

そうではなく、サーキットに減速帯があったらどうしますか?

グリップの強力な四輪のレーシングカー(死語?)が走っているサーキットのようなものです。誰かに勝ちたいのであれば苦情ではなく喜ぶべきファクターにするべきです。
でも、ここ欄で「減速帯の走り方」はかなりまずいので、サーキット編で書くかもしれません。

アウトインアウトしたい

最後に多分皆普通にコース幅を有効に使ったラインを通りたいことでしょう。

であれば、まずは減速帯を極めてみましょう。

低次元な中でいろいろテクニックを身につけることができるかもしれません。

もしも減速帯の走り方を詳細に実況中継したら、、ものすごく分厚い本になると思います。

 

では。

続きも書きました。 上り坂と下り坂の違いとブレーキングの仕方

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