ライダーのセッティングノウハウについて

ライダーのセッティングノウハウについて

タイトルからして想像がつくと思いますが、例えトップライダーの発言だとしてもライダーが指南するセッティングノウハウについては眉唾物である可能性があることを忘れてはいけません。
もちろん聞くだけで実践しないつもりであれば、解りやすくてもっともらしければ十分ではあるのですが・・・。

メカニックのノウハウ

ほとんどの場合、セッティングのノウハウはメカニック(スタッフ)の頭の中にこそあるといえるでしょう。
具体的な作業はもちろん、症状を分析して、他への影響も考量しながら少ない選択肢の中で最大の効果を発揮できるような、対策を行わなければならないからです。
そしてその中にはライダーの意見や指示を、より現実的で正しいであろう方向に翻訳しなおす仕事も含まれます。
なぜなら、ライダーは必ずしも賢いわけでも、現実に起きている症状を正しく表現できているわけでもなく、その信ぴょう性ははなはだ疑問といえるとおもうからです。
そこで、指示はさておき、ライダーの感覚的なインプレッションこそが大事でそこから正しい対処法をメカニックが自力で見つけ出すことが多いといえるかもしれません。
もちろん優れたメカニックはライダーの機嫌を損ねるような愚行はしないので、ライダーの指示が功を奏したようにその作業は進められます。
メカニックはライダーの能力に関係なく、最大限の仕事をしなければいけないからです。

ライダーの間違い

かくしてライダーの誤った、あるいは見当違いの見識は野放しな状態のまま放置の場合があります。

そこで、著名なライダーの語るセッティングノウハウはそのまま鵜呑みにするのではなく、自身がメカニックになったつもりで、その次元で走ったものしか知りえることのできない重要なインプレッションを聞き取り「間違いだらけのセッティングノウハウ」を補完してあげることが必要です。

ライダーは自分が知りえたことや、対処して好結果を得た選択肢などをノウハウとして語ります。
ノウハウの中には物理的な事実を語ることもあります。問題なのはその特定の条件下で起きた事実を条件を提示せずに断言してしまうことです。
もしかしたら自分にしか当てはまらないことをノウハウとして堂々と語っているのかもしれません。

それらの特異性については、通常聴く側が判断できるわけないので、そのノウハウを実行した場合の有効性はばくちのようなものとなり下がります。
しかしライダーに罪はありません。
完璧な環境把握などできるわけもなく確立されたノウハウなど存在しないので、正確に話せという方に無理があります。
ライダーに余計なことを考えさせずに直観的に語らせ多くの情報を入手することが得策です。

リスナーのノウハウ

そこでリスナー(享受される側のライダー)こそが、ライダーの不備を補完できるだけのノウハウを持つことが重要となってきます。
ライダーに起きている身の回りのすべての事象とライダーの特性を見極めて、ライダーの語るノウハウから正しい回答を導き出してあげるのです。
そのうえでトップライダーだけが知りえることのできる、高次元でのその症状をインプレッションとして語ってもらい正しく整理してあげるのです。

それが実践できるのであればもはや、ライダーのノウハウなど不要なのでは? とお思いでしょうがそんなことはありません。

速くて強くて勝てるライダーになるためには、セッティングノウハウを持つことと、メカニックに伝えることと、ライダーの語るセッティング方言を身に着けることは、速く走ることとともに重要です。
自身のために加え開発にも尽力できることで貴重な存在となりえるからです。

 

ライダーを見極める

最初にすることは、そのライダーの特性です。

例えば、成績にムラがあるライダーはセッティング能力が高いとは言えないと決めつけることです。
行うセッティングに当たりはずれがあるということにしてしまいます。

体重が軽いか、頭が軽いか、体格はどうか、俊敏性はどうか、表現力はどうかなどでもです。

例えば、軽いライダーを例えばペドロサとしましょう。

そして重いライダーをロッシとしてみてください。(想像しやすいようにとの仮定ですので事実ではありません)

たとえば軽いライダーは目真のコントロールをマシンに依存する傾向にあり繊細な割に収拾がついていなかったり、対して重量のあるライダーはおつりがあるためマシンへの影響が少なくなる傾向を選んだりするしそもそも細かいセッティングの違いの把握は苦手だったりすると決めつけてみます。

 

軽いライダーは荷重変化を体重移動に加えアクセルワーク、ブレーキキングなどを利用しようとします。
低周波のグリップ操作です。
そうすると例えばリアサスの圧側ダンパーを弱くするとリアのトラクションが上がるとかいうノウハウが出てきたりします。
タイムはともかくインプレッションはそれで好結果を得るかもしれません。
しかし姿勢制御に機械を使うことになるのでおつりの影響が浮上します。
現状のセッティングを変更することになるので全体バランスにも影響が出ているはずです。
たいしてロッシからこのような発言は出てきません。
荷重変化させたければ自身の自重を利用すればよいからです。
逆に圧側ダンパーを強くした方がトラクションが上がり実際に速く走れたりします。
この場合使えるノウハウとしてはロッシに軍配が上がります。
欠点を補うのではなく長所を補うからリスクが少ないといえるとおもいます
では今度は純粋にコーナリング中にリアのグリップが足りないと思ったとして
ペドロサ、ロッシともにリアのコンプを弱くした、とすると何が起きるでしょうか?
ここでの説明にサスペンションはリジットなほどグリップ力が上がるなどという場違いな事実を持ち出してはいけません。
この場面で、この場違いな事実を実行しても役に立たないことは明白です、
なぜならここで問題にしているのは。グリップが足りないという場面での話だからです。
静止状態からのスタートではありません。
動いている状態の時に、グリップが足りないと感じた、事後動作なのです。
(もしも前提がこれからグリップが足りなくなるであろうから、これから行うと効果的なこと、であれば話は別展開です)
加えてグリップが足りないというという場面はトラクションが足りなくても、トラクションが限界を超えても起こります。

そもそもこの場面でリアのコンプでセッティング変更は間違いだと思うのですが、傾向をつかむために行ったとしましょう。
トラクション不足時にこの変更をしたとしたら、単純にコンプとテンションのバランス変更になるといえるでしょう。
これは変更前の状態に大きく依存するので、どうなるとはいえなくなりがちです。
しいて言うとトラクション不足のチャタリングが起きていたのなら、この変更でさらに滑るし無駄なウォブルみたいなのだ出てきてますます事態は悪化するのではないでしょうか?
変更後の症状としては、安定してグリップしているときには影響がなく、(ダンパーとマッチングする)チャタリングのような細かい症状になった時に初めてリアが微妙にボトム傾向になり、何よりチャタリングが軽減する可能性が出てきます。
この場合実際にはコンプでもテンションでも同じような結果になるのでどうせなら最終的に両差のバランスを整えて終わらすと無難でしょう。

ちなみにこのチャタリングの制振であれば電子デバイスを利用すればコンマ何秒で適正値にセッティングできることでしょう。

ABS復活に一票

ケーシー・ストーナの発言にあるようにブレーキング勝負はチキンレース的であまりよろしくないと思います。
折角統一の電子デバイスが浸透してきたのでブレーキングでは転べなくしてもいいのではないかと思っています。

それよりもラインとかアプローチとかでコーナリング自体にバリエーションが出るほうが面白味が増すと思います。

そして、トラクション不足による転倒防止に電子デバイスが流用できるのなら、一般社会で役に立つ走る実験室の復活となります。

 

 

以上

ライダーのセッティングのノウハウについて

でした

 

(書き直し必須の予感)

あまり振動について触れていませんがタイヤと路面に発生する振動こそがサスペンションセッティングの基本だと思うのでまた日を改めて・・・

 

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