重量配分とセッティングとキースコード

青木宣篤

重量配分とセッティングとキースコード

 

問題は重量配分にあった!

なるほど。

確かに問題だ。

 

セッティングとチューニングの違い (新解明国語辞典)(於、このサイト)

セッティングはチューニングするための下準備のこと

例えば、「ギターの弦を張る時に、糸巻に弦をぐるぐる巻きつけて、緩まないようにすること、調整範囲に収めること、音程の調整がしやすいようなペグの角度になるように巻きはじめを調整すること」がセッティングでいわば下地であり、変更可能領域の調整とその作業のやりやすさを設定することである。チューニングは文字通り音程を合わせることでジャストなポイントに収めることである。

巷では、チューンアップ、セットアップ、チューニング、セッティング、改造その他多様な用語といい加減な用法であふれておりますが、実際に自分が何かを解決したいと思ったら、正しく使いこなすことが大切です。

例えば「フロントフォークの突出し2㎜」!、これがレンジのシフトのためなのか、この位置がジャストポイントなのか、あるいはピーク値の調整なのか。

当然その設定をするにあたり、意思決定者はこれがそのどれにあたるのか、知っていなければいけない(というより知らずして作業するな)。

 

この視点で見ると、メカニックが行う責任分担がセッティング、ライダーの行う責任分担がチューニングと区分すると分かりやすいと思うのですが、どうでしょう。

 

 

と、言われてみれば当たり前だと思うのですが、そこで件の重量配分。

重量配分?

 

問題は重量配分にあった!

これが、セッティングあるいはチューニングに関しての、大詰めの話なのかそれとも入口の話なのかが気になったとします。

この場合、どちらにしても低レベルです。

救いがあるとしたら、「この発言は一般大衆用で本当の原因は別にありしっかり対応している」という場合です。

なぜ低レベルかというと、大詰めの話であれば「こんなことはライダーのライディングでカバーできる」か、「マシンのセッティング幅が許容範囲を超えている」ということになります。入り口の話だったら「バイクの作り方を知らないに等しい」ぐらい経験と実績が活きていないことになります。

実情がどうのこのではなくアプローチの方法は熟知していてしかるべきだと思うからです。

どちらにしても発言するのは大変恥ずかしいことで、大変恥ずかしい発言をしてしまったことが問題です。

 

ライダーの駄目出しが時には「作り直せ」の意味だったりするのですが、開発側としては安易にその提案は飲めないところでもあり・・・

「重量配分はプロダクトなのかサブプロダクトなのか」について考えてみましょう。

重量配分は肝なのでプロダクトだ! としましょう。

重量配分はプロダクトなのかサブプロダクトなのか

じゃあ、まずは重量配分を正しく設定するとします。

最初にジオメトリー的なもので1G、乗車時G 直進時、減速時、侵入時、コーナリング時、コーナリング加速時、直線加速時をセッティングします。

次に慣性的なコントロールを加味します、減速G、コーナリングG(加速G)、加速度の解放(スリップとか)、生きる文鎮、ジャイロ、デバイスによるリアタイヤのコントロール、などなど

最後にライディング的な力点作用点、重量配分、などなど

 

… 要素が多すぎるし、何一つ、固定化できそうにありません。

これをプロダクトにするのは間違いと言えるでしょう。

もっと細分化して、そして普遍的なものをプロダクトとして設定をしなければいけません。

 

私見(実情を知りもしないのに)では、プロダクトになり得るのはタイヤだと思っています。

それはそれで様々な種類があって大変じゃあないかと思うことでしょうが、それがMotoGPなんだからしょうがない。

さっさと「メーカー様が作ったマシンにタイヤを合わせる」のではなく「ランダムに出てくる予測不能なタイヤに、素早く対応できるマシンをセッティングしなおす」という発想に切り替えると、人より先に幸せになれると思いのです。マシンカラー・メーカーから―どころじゃないはずです。

 

ということで重量配分はサブプロダクトとしたほうが良いでしょう。

それは、レンジに収まっているか、ピークにぴったり合わせられたか、操作しやすいかが判断材料となるでしょう。

最適な重量配分自体はライダーがアクティブチューニングすべきで、自分なりの(同じ)乗り方をしてその結果の報告ではなくアクティブに動いた結果の、傾向と対策を伝えるほうが手っ取り早いでしょう。

アクティブよりランダム

同爆の時に触れましたが、最適な状態を予測して電子デバイス制御したり、ライダーがコントロールするのって、実は開発の遅れにつながります。

その方法が正しいのか間違っているのかが判りにくいし、レンジも狭まりますよね。

そして制御系で問題になるのがセンサーなりコントローラーなりのその頻度、その頻度自体の持つ周期の影響やら適正値やら余計な心配ごとが付随してきて面倒です。

なので、決勝はともかく開発・テストモードではそれらをランダムに圧制させてしまうというのに一票。

乗りにくいだろうしタイムも出ないだろうけど、ジャストなポイントが見つかる可能性が高まります。以前はそれらを偶然、あるいは奇跡的に見つける必要がありました(知識て経験と勘ともいうらしい)。

 

ということで、

 

セッティングの出し方

問題は重量配分にあった!

今回のそれは、要約すると「だから最初に言ったじゃないか」ということだと・・

 

今回の話の流れでの「セッティングの出し方」は次のようになります。

スタッフによってセッティングされたマシンに乗り、ライディングテクニックによりチューニングポイントを確認し、そのチューニングポイントが正しい事、あるいは楽にライディングできる用に、セッティングを変更してもらう。

これがセッティングを出すの意味だと思います。

自分のライディングでベストな走りをし、そしてそれを結果に結び付けられるように、セッティングしなおす、これがセッティングだということです。

まんまマルケスですね。

 

よく見るセッティング光景は、そこまでしなくても判る、またはそれどころじゃあない時に、交わされる光景。

例えば、

「コーナーで向きが変わらないから何とかしろ」と同じくらい、無責任な発言で、その結果同じくらい無責任な対応が施されたり。

「イニシャルを3mm変えろ」とか効果も影響範囲も鑑みてない一方的な指示とか。

 

両者の違いは、同じセッティング指示でも支持のされ方、得方が違うことです。

 

そして、たまたまかも知れませんが、正しくセッティングされたマシンは限界を超えてもニュートラルで転びにくい!

例えば、ヤマハは、フロントがブレイクしてもすぐには転ばないマシンセッティングを見つけると、各コースに合わせたセットアップスピードが早めることができるのではないでしょうか?

ライダーは、特に予測できない動きを平気で行うデバイス対策のためにも、せめて重量配分位、自力でどうにでもなるような技が必要と会えるのではないでしょうか。

とくにペドロサ、相手は優等生だからと容赦しない電子デバイスですから。そろそろ自力を使わないと。

 

 

キースコード的には、

たとえそれが原因だったとしても、そしてそれに対応した結果が上手くいったとしても、その努力が次につながらないのでは非効率です。

要因が多岐にわたりすぎていたり、ランダムだったりしてはその先のサブプロダクトは正しき機能しなかったり、莫大な情報になったしまったりします。

キースコード的なプロダクトはブックマーク的なものとして利用するとよいでしょう。

時には原因そのものではなく、現象や、仮に想定した何かであってもかまいません。安定して再利用できるものが良いでしょう。

 

 

 

以上

重量配分とセッティングとキースコード

でした。

バイクが旋回してくれない時~の続きです。

 

 

 

 

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