失ったタイムよりも獲得できるかもしれないタイムについて考察する(キース・コードの一読者)

ジムカーナでは低速な故、事前準備無しでバンキングや、いきなり旋回を始めることができます。※1
慣性に対して未処理な為、その後当然の見返りとしてキックバックが返ってきます。
そのキックバックで振られたり、膨らんだり、転倒したり、まあ、あまり美しくはありませんね。

しかし、ことジムカーナの練習時においては、
きれいにバランスをとって旋回しているライダーや、逆にイン側に切れ込んだり、足を出したくなる状態のライダーとは、比べ物にならないくらい高次元な練習となります。

どこが高次元な練習かというと、この状態への対応が、より高い次元に進むための練習そのものとなるからです。

例えばイン側に切れ込んでしまう状態のときに行う練習を考えてみよう。

旋回を始めてみたらハンドルがインに切れ込む傾向を見せました。
その時に何ができるかというと更に小回りする、アクセルを開ける、フォームを変えてみる、慣性操作をしてみる、などでしょう。
べつに、あたりまえですか?
確かにいろいろ試して、練習できて、うまくいけば上達しそうです。

ところがです。
これはいったい何の練習でしょうか?

ジムカーナはタイムトライアル競技です。
芸術点はとりあえず加算されません。
選択肢があるときに優先すべきは、時間の短縮です。

インに切れ込むとか、足を出したくなるような状況とは?

その要因は、そもそも侵入速度が遅いとか、ステアリング操作が遅いとか、バンキングが遅いとか、とかとかでしょう。
言い換えると、文字通り遅れた操作はもちろんですが、その他のいくつかの点で、失敗をしているということにほかなりません。
その後行う足を出すとかステアリング操作とかはすべて失敗に対してのリカバリ処理になります。
たとえが悪いですが「ぐちぐち言い訳をしている」ようなものです。
此処での正しい練習法は、失敗と認識した時点で即座にリセットすることです。
失敗事例と低次元リカバリ法を積み重ねることは、「ライダーにとって致命傷を与えることもある」と認識すべきでしょう。※2

つまり、
過去形に付き合うなということです。
まして足をひいっぱられそうならバッサリ切ることです。

つまり、
膨らんだり、ふらふらしてしまうほどのクイックなバンキングや旋回開始がこの場面では値千金であり、
その状態に至った時点で「新たな次元の階段を登れる瞬間」であるということを認識し、
それを行うことができる状態を最優先にするということです。
その新たな次元に上るための練習が、膨らんだり、ふらふらしてしまうことへの対応です。
この対応が旋回してからの処理なのか、ターンインの前に必要な処理なのかは関係ありません。

そして、以前には安定して実践することができなかった素早いバンキングを獲得することができるのです。

そしてまた、更に素早くバンキングしてみる権限を有することができるのです。

これは次元の低い練習で済ましていたライダーには資格のない特権となるでしょう。

練習とはこういうことだということです。※3

日産ランドグライダー

※1
一般に無謀な運転のことです。

※2
リカバリ法は重要です。
ただし、優先順位は低く、はっきりとリカバリと認識してとらえることが重要です。

※3
いまさらですが以下が前提です。
タイムトライアルにおいてバンク角速度を早めることは有効旋回半径を上げることにつながり、ほぼ無条件に最優先事項である。

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