面圧とトラクションとライダー

面圧とトラクションとライダー

より速く

バランスが崩れるということは、さらに速く走れる可能性を示唆していると取るべきです。

より速く走りたいのであれば、この瞬間を利用しない手はありません。

 

なぜなら、

たとえ100%のパフォーマンスを発揮して走行していたとしても、バランスを崩している時、崩したバランスを戻している時、それぞれの場面では100%以上のパフフォーマンスを発揮させることができる可能性を秘めているからです。

その前後の場面のパフォーマンスの平均が100%を超えるのであれば、意図的にバランスを崩すことが一つの走行となり得るということです。

 

四輪の呪縛

結局のところ、勝敗を決めるポイントにトラクションが多くの割合を占めていることに意義はないでしょう。

このトラクションを語るときに面圧とか、慣性とか、質量とか、重心とかの多数のキーワードを使い、物理的な解説が行われますます。

しかし、それらの要素の中にマシンの極端な上下動やライダーの挙動が含まれて語られることは少ないのではないでしょうか?

それは残念ながら、二輪の解説に四輪の理論がそのまま使われることが多いことに起因していると思います。

そもそも二輪の理論の解析は、詳細に解明されていないか、複雑すぎて一般市民に理解できるような説明ができないか、とにかく市場に出回っていないように思います。

代わりに、より詳細に解析されている、四輪の理論をそのまま流用してしまうわけです。

例えば、「面圧かける面積がトラクションの最大値で、その総和は変わらない」と言うのをよく聴かれると思います。

接地面が、風呂敷なみにに広くても、あるいは消しゴムほどでも、得られるトラクションは同じということです。

それに加え、四輪においてベストな走行とは、スムーズに安定した走行に勝るものはない、というのがあります。

不用意にスライドやトラクションを失った時の、タイムロスやスピードダウンは、大抵それが補完されることはなく、失ったままになりがちだからです。

 

 

ところが実際には消しゴムより、風呂敷のほうが遥かに有利です。

タイヤをスライドさせる場合など最大効率のスリップ率130%(例えばです)を保つ場合や、実際に130%の値の時のトラクションの値は風呂敷のほうがはるかに強力に発揮されるはずです(多分)。

これを加速時のリアタイヤで考えてみた場合、リアタイヤに100%加重をかけたほうが良いのはもちろんですが、タイヤの場合は加重によりタイヤの変形が加わるので実質の直径が短く変わっていきます。

これはギヤ比が変わるようなものです。

このことは空気圧の差がそのままグリップの差になるばかりか、加速力にも影響があるということになります。

この時点で、タイヤの変形で失うロス、マシンのパワー、タイヤの路面抵抗、タイヤの内部の体積、空気圧、それぞれの要素で、いろいろがグラフが存在することになります。

ただこれは、値がわかったところで、四輪では大した役には立たないと思われているのではないでしょうか。

ところが2輪は違います。

位置エネルギー

二輪は四輪と違い、位置エネルギーを積極的にコントロールできるということがあげられます。

物理的にはほとんど鉄と肉のかたまりで語られる四輪とは大きく異なるのです。

それは例えば、飼いならされた犬と、野良猫ぐらいの差があります。

片や平面滝なのに対し、もう片方はいうこと聴かないし、飛んだり跳ねたり落ちたりします。

サスペンションにしても四輪よりも車重が軽いので、結果的にダンパーをソフトにせざるを得ません。

同じ理由でストローク量も短くすることが困難だったりします。

 

ウイリー

ウイリーの位置エネルギーについて考えてみましょう

好き好んでその状態を作っているのかはともかく、フロントが上方にピッチングしているときは、

通常ピッチングしていない時に比べ、リアへのトラクションは増加しているといえます(例外はあります)。

 

そしてピッチング中は微妙にエンジンの回転数が増加しているともいえます。

さらにフロントタイヤを回転させなくて良いことで、加速力が増すことに貢献しているでしょう。

ここまでをまとめると、ウイリーしながらの加速はベストな加速といえるということです。
(もちろんひっくり返ってはいけません)

最近のホンダ車のスタート(加速)がこんな感じですね。

 

ただしこれだけでは、最適なアクセルコントロールをしているだけで、四輪より勝るのはフロントタイヤが浮いている分だけ初期の加速がよいということだけです。

それも結局着地したときにほとんど同等のエネルギーが必要なので、その差はフリクションロスのみです。

 

このことだけでは対してメリットはありません

 

次にウイリーしたフロントが下に降りている瞬間を考えてみましょう。

ウイリーしたマシンのこの状態は、通常の状態に比べ、位置エネルギーという、今まで存在しなかったエネルギーを蓄えてています。

もちろん、そこまで持ち上げるのにエネルギーを使っていますが、そもそもパワーが有り余っている状態であれば、単なるパワーの有効活用といえます。というより、パワーを発揮する、イコール、エンジンの回転数を上げるということに貢献していたりします
(このこと自体は、ワイドオープンできるかできないかの違いだけで、大差ないともいえます)。

この、位置エネルギーを加速に結び付けられないか考えてみましょう。

単に、浮き上がったフロント周りが、元の位置に戻るという動作は、微妙に前進することに貢献しています。
(フロントが持ち上がっている状態の時にリアブレーキでリアタイヤが回らないようにして着地すると前に進んでいます)

微妙に活用できました。

が、これだけでは能がありません。

もっと有効な活用方法があります。

最強の加速

ということで、最強の加速の方法はこうです。

  1. ウイリーするぐらいの加速をする。
    ウイリーの程度は、一定の位置に保てるほどではなく、徐々に上に上がり続けるように設定します。
  2. ウイリーをやめる
    ゆっくりとパワーを下げるのではなくいきなりパワーカットした方が効果的です
  3. 再びウイリーするぐらいの加速をする。
    タイミングは、地面に着地する前に再びあがるようにします。
    地面に着地してしまうと反動で少しのパワーであげることが出来てしまうので、結果的に強力なパワーを掛けれないからです。
    (マシンのパワーにより異なります)
  4. 2,3を繰り返す

どうでしょう?

見た目はともかく、速そうだと思いませんか?

実際にはタイヤの特性、パワー特性に合わせてパワーコントロールするだけです。

理論的な計算値でもいいし、ライダーが、パワーとタイミングを調整してもよいでしょう。

この程度なら多分簡単に実現してしまうことでしょう。

 

上手く行けば、スタートだけではなく、コーナー立ち上がりでも使えるかもしれません。

今後スタート時やコーナー立ち上がり時に変なエンジンがするようになったら、こういうことです。

 

ライダーの役割

そしてこれはマシンが行うのではなく、ライダーが同様な効果を発揮できるようなアクションを取ることだって出来ます。

具体的には、前傾するスピードや体中の全てのパーツを使った加重、荷重、抜重で多種多様なコントロールを行うことが出来ます。

少なくとも一箇所でじっとしているよりは動き回っている方が、何かに貢献することができているかもしれません。

なので、もしもマシンの上でジタバタするところを目撃しても温かい目でみてあげましょう。

特に、今後さらにタイヤの特性管理がシビアになってくると思われるのですが、

ということは具体的な数値が見えてくるということです。

そこで、タイヤの状態が最適な状態ではない時の、補足としてのエンジンコントロールや、ライダーのジタバタがよりこうを成す、
と言うかライダーに求められてくるのではないでしょうか?

具体的に、使える手法としては、単純に重心の移動と、位置エネルギーの利用と、サスペンション的な挙動の収束や逆にリジット、収束時間の時間的操作が行えるでしょう。

そして、なんでもスムーズにすればよいのではありません。よりトリガー的な挙動になるようなアクションも効果的でしょう。

目指すは優等生的なサイン波ではなく天才的なトリガー波です。

 

 

DTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)

DTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)のリアタイヤのセンサー部分です。

 

 

では

面圧とトラクションとライダー

でした。

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