ジムカーナ走法の立ち位置とGPライダーの特徴

ジムカーナ走法の立ち位置

ジムカーナ走法やジムカーナライダーのポジションはトライアルやロードレース、モトクロスなどに比べそれほど高くないのが実情ではないでしょうか。

その程度を例えばピアノの世界で表してみると、トライアルがクラシックピアノ、ロードレースやモトクロスがジャズピアノ、そしてピアノの先生がジムカーナぐらいの違いがあるように思います。

違いはジムカーナが基礎そのものであるのに対し、モトクロスやロードレースは才能や運が必須で必ずしも基礎は必要ではない、そしてトライアルは基礎は絶対で、さらに恵まれた才能とチャンスが要求されるジャンルではないかと思うからです。

華やかさや注目度にも差がありますが、決定的なのはそのプロフェッショナル度。

ジムカーナは所詮アマチュア競技なので練習に時間を割けるリソースが桁違いに少ないと言えるのではないでしょうか。

完全にアマチュアな一般ライダーは、税金と罰金で好きなだけ練習できる白バイ隊員には敵わず、その白バイ隊員にしてもトライアルのレベルでみたらアマチュア以下でしかありません。

なのでジムカーナ競技においてジムカーナライダーが、ジムカーナ的な走りを知らないトライアルライダーに負けてしまうという事態が起きても別に意外なことではありません。

プロとアマの違いだから仕方がない…

本当にそうでしょうか?

 

純正の弱点

ジムカーナ競技で、ジムカーナライダーがトライアルライダーに負けたとしても、それが練習量や才能の差だけで敵わなかったのではない場合もあります。

それは、ジムカーナだけをやっているライダーはジムカーナ的なテクニックはもちろん習得するにしても、関係のない、あるいは亜流のテクニックは習得しなかったり実践しなくなっていたりするのではないでしょうか?

ジムカーナを芸術的に極めるための理想的な練習にばかり注目して、別の視点から見た、一見亜流の突飛なテクニックなどに目を向けず、結果的にジムカーナ走法そのものの次元を低くしてしまっているということはないでしょうか?

オートバイはバランスの乗り物と言われ、バランスを崩さないようにするのが要求されているように思われがちですが、実際にはバランスを崩すのがライディングだったりします。

バランスを崩してはいけないのではなく、バランスを崩し、崩した後のリカバリーの組み合わせがライディングと言えるのではないでしょうか。

ことオートバイにおいてクイックなアクションとは、「より大胆なバランス崩しと、そのリカバリー」と言いなおすこともできるかと思います。

そういう観点で見ると、トライアルライダーの空に飛んでしまうほどのバランスの崩らせ方と、そのアクションに必要なあの脚力こそが敵わない理由ではないでしょうか。

 

ということで、

特定の競技において、競技そのものが、あるいは自身のポテンシャルが、なんとなく頂点に達しているのではないかと思われように見えても、実は他のジャンルのテクニックや常識を流用することで新しい考え方や別の視点を加えることができ、さらに上の次元にシフトできるのではないかということです。

例えば山口達也選手のようにです。

 

GPライダーの特徴

 

乗り説

乗り説という書籍がkindleから販売されていたので読んでみました。乗り説(amazon)

GPライダーに対しての乗り方に関連する短いインタビューを掲載した書籍です。

今の所5名だけなのと、なぜこの人選?というのがありますが読み方次第では役に立つかと思いますので紹介します。

著作権的に内容を要約してしまってはいけないようなので感想と使い方のようなものを述べます。

感想

感想としてはまず当たり前のようにそれぞれ全然別の表現で語られています。

経験の違いによる表現も面白いですが、明らかに間違いだったり無知だったりする回答もあったりします。

各々書籍やライディングスクールなどで指導しているかと思うのですが、その表現や語られる理論と指導される側のライダーとにはマッチングというか当たり外れがあったりして、効果がある場合とない場合の差が激しいのではないかと思いました。

しかし、やはり、名を残すライダーの感性や、その一言一言の重みは値千金であるということです。

これは指導される側に読解力や、基礎知識があればあるほど値千金なことでしょう。

読み方

言えることはGPライダーは科学者ではないということでしょう。

思っていることや知っている知識を正しく伝える能力は必ずしも備わっている必要はないということ。

そして乗ってきたマシンや環境や経験量によって視野が異なること。

 

そしてある意味先達だったりするので教科書やバイブルが存在していなかったり、比較・対談でもないので語られる内容の深さの差が激しかったりするのは致し方ないことでしょう。

さらに、人より抜きん出るだけあって、感覚そのものがが違っていたりします。

そんな中でのこのようなインタビューを読む時には気をつけた方が良いことがあります。

このような書籍を発行できる方々(限られたライダー)は、総じて恵まれた方々と言えると思います。

何にかというと、才能、人脈、努力、健康、資金、生まれ、運、とかです。

これらの中のどれか達によって彼らの地位が生まれたと言えます。

別にライディングと関係ないようなことも含まれてたりしますが、実はこれらも重要です。

なぜかというと、彼らは、これらのどれか達に恵まれた上で結果を残し、それを前提に自らの考え、ライディングを語っていると言えるからです。

自分が上記のどれにも恵まれていないと思ったら諦めるのが得策ですが、どれか一つでも当てはまるものがあればそれに立脚することが必要です。

スーパー有名著名ライダー達の教えを全く同じ境遇であればそのまま信じても良いですが、そうでなければ役に立たない情報となってしまう場合もあります。

逆に自分の得ることのできない境遇に関しては、参考情報としてはこの上もなく価値があることでしょう。

 

そのようなことを考慮してそれぞれの乗り方を読むとより面白いかと思います。

そして、発行順に読んでも良いですが、次の順番で読んだ方がより中身が理解できるような気がします。

  1. 第2号 伊藤真一
  2. vol.1 高橋巧
  3. 第5号 宇井陽一
  4. 第3号 須貝義行
  5. 第4号 山口辰也

理由は、高橋巧の若くて恵まれた環境で育ったライダーのお役立ち情報の少なさが最初に読んだのではわかりにくくて、長いキャリアを安定して高いポジションに保つための努力と、その末に達観したような感覚を持つ伊藤真一のレジェンド的なインタビューの方が最初の読み物としてはインパクトがあると思うからです。

そしてもしかしたら自分たちの知っているリザルトよりも天才的かもしれない宇井陽一の後で、20回以上の8時間耐久の予選決勝全てで無転倒という快挙を周到な努力により成し得ている須貝義行の言葉の重さを感じつつも二十年先を目指すわけにもいかないので、最後に工夫次第では自分にもチャンスがあるのではと思える山口辰也のトライアルで締めくくると良いのではないでしょうか。

 

 

 

乗り説 第2号 伊藤真一の乗り方説明書

 

この本に限らずですが、数値や理論だけでは解決しないライディングに関しての貴重な情報に関しては、批判や批評目的ではなく、自分をごまかすためでもなく、常に自分のライディングの肥やしになるように有効に活用させてもらいましょう。

 

そして、もしもトレーナーの立場だったら、

ライダーはあなたほどには賢くないので、表現や理論はともかく上手くリーディングして気持ち良く走らせてあげましょう。

 

 

ということで、ジムカーナはまだまだ次元を上げられるということと、トミーボーやフジガスを間近で見ると面白いぞ、ということと、やっぱり長く勝ち残っているライダーの言葉は重いということ、賛否両論というか間違いだらけのライディング理論だって何らかの真があるし、自分のライディングの肥やしにはなりますってことでした。

 

 

 

 

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ジムカーナ, メンタル, ロードレース

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