アタックラップの走り方

マルケス式アタックラップ

マルケス選手の予選のアタックラップでとってもアグレッシブなライディングを目にすることが多いと思います。

さて単純にまねをすれば同様にタイムアップできるのでしょうか?

その状態では何が起きていて、メリットとデメリットの比較と、マルケスの能力と自身の能力とを比較することで自身のタイムアップに活用できるかもしれません。

やっていることは単純で通常よりもクイックなアクションを行っているだけです。
勘違いしてはいけないのが通常が遅いのではなく通常が適切なアクションであるということです。

見た目が派手で力ずくだったり能力以上に頑張っているように見えても、そうではなく正しいセッティングやライディングから外れた走りというだけと思ったほうが適切でしょう。
たとえ無理やりとか力ずくでアクションしているとしても、結果的に破たんしているからこそアグレッシブに見えるのであって、そのライディングにセッティングが追従できていたら、実はその走りでもいつも通りのスムーズな走りのようになっていたかもしれません(ここではそういうことにします)。それはそれ以前での走りが如何にマシンの能力を引き出し限界付近のポイントでスムーズにライディングしていたかということの証と言えるでしょう。

つまり、無理やりアクションを早めてセッティングが狂ってバタバタしても気にせず走り、なんらかのロスタイムを帳消しにしあわよくばタイムアップを図ろうというリスキーな魂胆です。
デメリットは、正しくないセッティングによる挙動の乱れとか、タイヤの負担が大きいとか、疲労を体力とバランス力でカバーしているが1周のうちどこかでミスする可能性が高まるし転倒の恐れも高まるなどの沢山のデメリットがあるといえると思います。

メリットはもちろんタイムアップできるかもしれないということです。
ここで注意しなければいけないのが、マシンの上で速くアクションしただけではタイムアップするとは限らないということです。

ブレーキをがんばるのであれば、そもそもブレーキングが終わる位置を奥に設定しておかないといけません。
「頑張ってブレーキした結果ターンインのポイントが2m手前になった」のでは、ほとんどの場合タイムは悪くなります。
そして無計画にブレーキングをがんばるというのはその後のライン取りのプランが不明になるということです。

折角ためた財産を捨てて宝くじを買うようなものです。

実際にブレーキングポイントを一か八かで遅らせた場合に、定めた設定スピードにどこでなるかはあやふやだし、同様に定めたポイントでどのくらいのスピードになっているかも定かではないことでしょう。

このような状態の中で損失を最小限に抑えて利得は最大に活かせるようなラインのストックを持たずしてブレーキングをがんばってもタイムアップには至らないことでしょう。

同じように、「クイックに倒しこんだらイン側ゼブラに乗り上げた」もだめでしょう。
クイックに倒しこむというのは、旋回ラインを大きくできるか、旋回ラインを手前にシフトできることであり、それができた暁にはその成果としてタイムアップしているようなライディングやライン取りをそもそもしていないといけません。

いつもと同じラインをいつもより早く走るというのはそれまでの次元の低さを露呈するだけなのはともかく、そのいつもの走りのレベルが均一に低いとは限らずボトムラインで破たんする可能性が高いと思われるので、単純にはお勧めできないことだと思います。
ということで、このようにラインの設定自体がいつもと同じところを通っていてはタイムアップは望めません。

ベストなラインとは別に、アタックラップ用の特別なラインも常日頃確保しておかないとデメリットのオンパレードになってしまうことでしょう。

当たり前ですが、マルケスはここで述べたこと以上のことを高い次元でコントロールしていると思います。

 

 

アタックラップの走り方

アタックラップに限りませんがペースアップの方法は、さきのマルケス式だけとは限りません。
別の方法も用意しておきましょう。

わかりやすい例として、徒歩での通勤、通学時にそのままのペースでは会社なり学校に遅れてしまいそうなのでペースアップをしようとした時を考えてみましょう。

ペースアップのパターン

ペースアップの方法としては次のようなパターンが考えられます。

  • 走る
  • 速足で歩く
  • 大股で歩く
  • 近道をする
  • 寄り道をやめる
  • 早くつきたいと思う

通勤。通学時のこの状態の説明は・・・省略してレースに置き換えます。

走る

これは全然今までとは違うことを行うことを意味しています。今までの練習が無駄になります。

速足で歩く

各種アクションをいつもよりも力を入れて早く動かすことでペースアップします
とりあえずこれをマルケス式だとします

大股で歩く

足を繰り出すペースを変えずにその歩幅を大きくすることでペースアップします。足を速く動かすのと同義の場合もありますがそうでない場合を後で説明します。

近道をする

ラインの見直しですね。タイムアップするのは明白だけどリスキーなので避けていた場合とかがあります。

寄り道をしない

今まで手抜きをしていた部分のことですね。

早くつきたいと思う

これはこれで効果があります。
ほとんどのライダーの「よーしペースアップしよう」という脳天気な手段はこれに当たります。
漠然と思うだけで自動的に上記のどれかを行ったりするからて低レベルなうちは十分効果的です。

 

大股で歩く

今回お勧め、お試ししてほしいのは、上記の中での大股で歩くです。
それも単純に脚をいつもよりも前に降り出して歩幅を広げるのではなく、腰をひねることで歩幅を広げる方法です。

最初は足を前に出し切ったあたりに腰の振りを加えることから始め、最終的には脚の不利とシンクロさせて足を出し切った時点で腰の振りも終了するようにします。
腰だけでなく積極的に上半身の動きも加えるとナンバ走りや常足みたいなのに近づきます。⇒ナンバ走り

この方法の特徴は、他の箇所はいつも通りなのにペースが早まるということです。
いつも以上に頑張るのではなく、今まで使っていなかったパーツを新たに付け加えることで効果を出させる方法です。

今まで培ってきた手順やペースを壊すことなくペースアップさせるのです。

これをそのままライディングというわけではないので、とりあえずこの単なる徒歩での腰のひねりでのペースの違いを体感、会得しておいてください。
世の中のスピードが勝手に早まる感じです。

気がつくと周囲の動きが速くなっているような感覚で無駄を省くことで縮まるタイムアップとも似ていますね
そしてそれを実践のライディングのあてはめます。
徒歩での腰使いをそのままライディングで活用してもよいのですがそれだけではありません。
ライディング中に起きているすべての挙動がこの腰のひねりに当たります。
もちろん自信の挙動や、使っていない部位もそうです。
今までのライディングはそのままに、プラスアルファ―させる感じで、いつものライディング+他力=ペースアップ みたいな感じです。実感しやすいのは切り替えし時で、挙動の宝の山です。

 

で、

結局こちらの方法はというと、無理をするのではなく、神経を研ぎ澄ますという方法になります。

ロレンソが「なんか速い」みたいな状態です(ただしこれは外から見てもどこがすごいのか分からないので真似のやりようがありません)。
まずは、マルケスのように、引き出しを増やしておくことです。
とくに日本人の場合はめったに使わない伝家の宝刀を用意しておくと、
誰かに「もうちょっとペースを上げて」と言われた時に落ち着いて対処できることでしょう、

まとめ

大股式が結果的にマルケス式とどう違うかというと、マルケス式は明らかに特別な走りというのに比べ大股式は通常の走りに何かお付け足そうという考え方です。
アタックラップがいつもと違うライディングになってしまうのではいろいろリスキーであると思われるからです。
特にアクションを単純にスピードアップするという行為は反動というか初動が逆方向になりがちです。マシンの上で暴れているだけで実際には一向に速くなってないという場面もありえるかもしれません。特にやり慣れていないと無駄に体力使います。
対して大股式はいつもの安定したライディングに加え、ちょっとした挙動を味方につけるという考え方です。

ライディング自体はいつもと同じような次元で進むのに周囲の風景だけが速く動くようなことを目的としています。
いつもと同じだけど速いというやつです。
そしてそれを活かすのは、ラインのレパートリーを活用するということです。
恩恵を授かるためにはその受け皿を用意しておくことが秘訣であって、授かってからでは手遅れということです。

マルケスの走りでも良く見るとクイックに動いて頑張った分速くなったはいいけどラインに無駄が出てしまい、結局もたもたしている場面に気がつくと思います。

 

 

改めて、アタックラップの走り方としては、

マルケスの走り方を否定しているのではありません。

マルケスのような走りをするのであれば、体力やバランス能力はもちろんですが、ラインの自由度を豊富に持ち合わせていないと効果がないですというお話です。

大股式は、実は自分の中の固定化した時間の流れを変えるということの効果を説明したかったんだけど…全然できてません。

また。

 

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