トニー・ボウのリアフェンダー

ペドロサとマルケスのライディングの違いによるハイサイド率

転倒率自体はペドロサよりマルケスのほうが高いのらしいですが、肝心なところ(カメラの前)ではペドロサは空を飛び、マルケスは地を這いそしてたまにそのまま何事もなく起き上がります。
この違いはなんでしょう?

ミニバイクやモタードではやろうと思えばできてしまう、ほとんど転倒からのリカバリ。
これがMotoGPの世界ではマルケスのみが行える神業のように言われています
(強いて言えば辻本聡選手がそれらしきことを言ってましたが、他はまるで箝口令が出ているように足並み揃えているようです。)

なぜでしょう?

(いつもどおりの妄想であり、もはや個人名すら意味がないと思って読んでください)

今回は同じチームのマシンに乗るライダーとの比較なのでライディングの違い、
そして他のチームのマシンに乗るライダーとの違いに触れてみましょう。

ペドロサとマルケスのライディングの違い

ペドロサのライディングフォームは昔のフォームと比較してもさほど違いが見つかりません。
そして右コーナーと左コーナーでもほとんど同じようなフォームで乗れているといえます。

その完成されたライディング(フォーム)とマルケスのライディングとで、片やハイサイドにつながってしまう様な差異を上げてみます。

差異その1

差異その1は、ひじの使い方。
マルケスは左ひじをタンクに押し付けている感じに見て取れます。
いわゆる巷で基本と言われている「腋を閉める」ようなライディングです。
左コーナーの右腕でできないのはアクセル操作があるからです。
もしも意識的にそうしていないのであれば、違いは頭の角度です。
前傾姿勢の最中に顔をなるべく起こそうという動作は腋が閉まりがちになります。
対して顔を伏せるように意識すると腋は上がり気味になります。
これらは逆の動作をしてみると分かります。

差異その2

差異その2は、脚と尻との荷重配分。
これは見てもよくわからないので、この違いが天の国と地の国の境なのではないかとの推測からです。

先の、ミニバイクでできてもMotoGPではできないだろうと、皆が思っているその大前提に速度差があります。
速度差イコールリカバリーできる猶予期間の差でもあります。
MotoGPのほうがミニバイクやオフロード、ダートトラックなどと比べてはるかに猶予時間が短いといえると思います。
間違っても1秒後に反応していたのでは手遅れでありペドロサるわけであり、速度の遅い次元で成り立つテクニックがMotoGPでは通用しなかったり、手遅れだったりするわけです。
可動域を広く取ったり、広範囲に対応できるような柔軟なポジションとかは、もはやMotoGPでは通用しないといえます。

ハイサイドしにくいライディングの矛盾点

いわゆる通常の次元でのライディングによるハイサイド対策としては「グリップが回復するまではライディングを続ける」ようなのがあります。
「滑った瞬間にずり落ちてはいけない」というやつですね。

これが問題なのです。
こいつへの具体的なライディング(テクニック)としては下腿のホールドや土踏まず(つま先)への荷重などがあります。
(脚のパーツとしては、腰・尻・大腿・下腿・足・つま先・土踏まず)
例えば外脚の膝をタンクに押し当てて、ステップに乗せた足を下方に向けてのホールドしたりします。
膝が開いてしまう場合は仕方がないのでステップに加重して荷重を増やしてスリップ時にステップから足が外れないようにしたりします。
内脚の場合はほとんどが荷重に頼ることになると思います。

上記を意識的、無意識的にかかわらずステップ荷重の比率を大きくすることがハイサイド対策のライディング的という認識があります(自分だけかもしれませんが)。

対極なのはステップ荷重の比率を少なくする、あるいはそもそも少ないライディングがあります。
これは腕への荷重はさておき、お尻の荷重の比率が大きいライディングといえると思います。
このお尻乗りは「頭で考える理想的なライディング」には相容れないライディングで本人にとって受け入れられない場合があったりします。

しかし、このお尻乗りは、通常ではなく高次元なライディングとして花開きました。
それはリアだけではなくフロントもスライドさせるライディング、全輪スライドですね。
この次元になると、もはや旧石器時代の「人力リカバリーを視野に入れたライディング」は通用しなくて、出来ることが「何もしない」に変わってきます。
人間の神経(センサー)の反応速度に頼っていたのでは間に合わないという発想です。
だから、一番よさそうな体制で「無事を祈って何もしない」というライディングの出来上がりです。

頭で考えた、一見良さそうな下半身によるマシンホールドの考えが、実は失敗した場合のダメージが大きくなるような選択だったということです。

この考えるという行動はえてして「何もしない」という選択を格好悪いと思っているようです。

しかし失敗したときのことを考えていない浅はかな考えと言われてしまっても反論しにくい選択だったかもしれません。

 

アクティブダンパーの雄、トニー・ボウ

加えてです。
ステップ荷重の弱点はスプリング的でダンパー的ではないということです。

スプリングの弱点は動き出したら止まらないし、そのエネルギーが消滅するまでに結構動き回ってしまいます。

サスペンションとしての人間は、筋肉のスプリングと構造的・ぜい肉的なゴムダンパーのようなものでしかなく、ほとんどダンパーとして使えるものがありません。

要はスプリングの両端(ステップと胴体)が(この場合は)どんどん伸びてしまうこと、そして終には伸び切ってしまうこと、次の動作までに時間を要すること、その他マシンのサスペンションにおけるスプリングの特性そのものです。

 

そこで登場するのが、まずは先のタンクと肘の接触です。
最悪なスプリングにならないように、もう一つの方法である可動域を広げる前傾もそうです。

そして次に、マルケスには次の強力な手助けがおります。

一つはホンダのマシンであること。
もう一つはチームメイトに。かのトニー・ボウがいるということです。

ホンダの利点は、一貫性があるということ。
正しいデータを入れれば、安定したデータが返ってくるということです。

トニー・ボウの利点と言えば、2007年にHRC入りしてから負けなしの11連覇という強さ!
それを脇で支えているが彼の大腿とお尻の筋肉ですね。
物事を最小限にとどめるのに尽力しているのが見え見えです。

その彼と一緒にトレーニングしているのですから、だれもまねできない と思わせるのには必要十分。

忘れちゃいけないペドロサはというと。
いわゆる正解だけでは頂点には立てないという典型の権化のよう。
正解ってトップじゃない人たちによって制定されているということを忘れてはいけません。
たどり着きたい人達の目標の鉾先って、たいてい間違っています。

だから、ペドロサは「一線を越えてお尻乗りでエイヤと飛び込めば光が見えてくる」と思うのですが、現状は正解な人。

 

ペドロサとマルケスの違い

ということで、空をとぶライディングと、地を這うライディングの違いは、
脚周りの荷重の方法が違うのではないかということと、顔の角度による外側の腕の閉まり加減が少々違う程度ではないかということ、そしていわゆる、誰かに教えてもらったライディングには限界があるよということ。

他チームとの違いはホンダ、そしてトニー・ボウと同じチームであること。

強力なバランス能力と強靭な脚力を併せ持つ世界最強のチームメイトから望めば同じトレーニングと貴重な情報が得られるということに加え、普段の練習からの経験値がものを言っているということです。

唯一無二の環境から作りだされるテクニック?は、まあ確かに誰もまねできない物ではありますね。

ただ、マルケスと同じ環境にはなれなくとも、真似しなくとも、同じような結果にたどり着くアプローチはまだまだあると思っております。

体格差の違い

阿部・ノリックやもしかしたら辻本聡選手など大柄なライダーなら、同じような転倒回避できるライディングができるのではないか?と思ってしまいますよね。
というのは、このようなライディングをしようと思って最初に思い浮かぶのは、上から押さえつけるライディングであるからです。
余計にスライド、あるいは限界を超えたスライドが起こった時にマシンが起き上がるのではなくさらに寝かしつけるような方向へのモーメントを加えるライディングです。
想像上では確かにそれで何とか再現できそうですね。

押さえつけ系はステリングをインではなくアウト側に加重(ステア・押している)系なので、兼ね合い的にも有事に前後のスライド量がそろう様なライディングではないように思います。

ダートトラックでよく見るのこテクニックは、そもそもリアが流れることを想定したライディングであり、ひとたびスライドしたときのリアの流れ量は大きめでであり、いわゆるカウンターを当てる必要があるような状態になっていることを想定したようなライディングと言えます。

加えて、残念なことに、大柄なライダーは密着系ではありません。
大抵コーナリング中も体を起こしてコントロール性の良さを重視しているように見受けられます。
加えて密着させることによる、おつりの大きさのほうが通常のライディング時のデメリットとなるのでしょう。
なので、折角押さえつける系ではあるのですが、同時にスプリング系でもあったりしますので低次元ではともかく高次元ではその実現度が怪しくなってきます。

そしてロッシは渋々前傾度を増していきました。

 

ただ机上の単純比較ではバイクをイン側に引っ張り込むのではなく抑え込むようなライディングのほうが分があると思います。
(引っ張るのと、抑え込むのは180度特性が違います)

ダンパー性に関しても体重があるほうが良さそうに思えます。

手足の長さはいかようにも有利に運ぶことができると思いますが、豊かな体重の場合は「何もしない系」のライディングをすれば結果は良くなるのでは思われます。
阿部孝雄は速かったけど渡辺直美は意外に不向きな感じです。

 

大柄系のもう一つの弱点は、自分の体重によって自分を痛めつける量が大きくなることが上げられますね。

長く続けるためにも転倒はできれば避けたいという前提があると思います。
転倒しても怪我をしない技を身につけるか、怪我をしない施設で練習するか、とかの対策次第で大柄なマルケスが登場してくるかもしれません。

なのでできそうだけどできない、イコール神業 となってしまうのかもしれませんね。

現実的には、あちらを立てればこちらが立たず! となった場合の選択肢は、右か左かではなく微妙なバランスを如何にとるかになると思います。
冒険か堅実かをチョイスしたうえでちょうど良い比率が存在するのではと思います。

ひたすら正しい経験値を増やすことが必須だと思います。
オートバイって、やりたいことに必要な操作を準備して直前に行う乗り物なことを忘れてはいけません。
物理的にも電気的にもその操作の結果はそれらを無視できないぐらい遅れてしまうからです。
高速になればなるほどその特性・特徴が顕著になります。
要するに反射神経ではなく、事前の計画のセンスが大半を占めているということ。
よりクールなチョイスをするものが速いライダーになり得たりするわけです。
(センスと言えばケーシー・ストーナーです)

 

もっとトニー・ボウを知ろう!!

と、終わってから宣伝しても手遅れですがトライアルがお勧めです。

目の前でそのライディングが見れるし、(今年は)確実にサインもらえるし。
それに今年のレディスライダーはお人形さんみたいな粒ぞろい・・・・

昨年のチャンピオンのエマ・ブリストウの腕前はすごかったです。
お人形さん度ではMURCIA SADURNI Neus が一押し

MURCIA SADURNI Neus

MURCIA SADURNI Neus

 

 

リザルトはこちら ⇒ FIM TrialGP

2018 FIM TRIAL WORLD CHAMPIONSHIP JAPAN

今回はGASGASチームの二人がそれぞれ優勝しました。  ここは助走なしで1mくらいウイリージャンプできないとクリアできないセクションでトップクラス以外はほとんど全滅だったのですが、そのまん前で観戦!

どうでもいいけど(良くない)・・オブザーバーの質が気になります。

老侯化がひどいです。見逃しもあるし・・・
これが全世界に配信されているのかと思うと・・・

 

もっとロレンソ&ペドロサ!!!

生まれたときからマルケスやロッシ何も環境であればともかく、目標というか練習をしようという時のお手本はロレンソ&ペドロサだと思っております。

もはや強力な財力のあるメディアによって組織の思うままなモータースポーツでさらにタイヤが不透明な現状であれば、勝たせたいライダーを有利にすることぐらいはお茶の子さいさい。
なのでライディング的にまねをできるライダーが生き残れるように応援してあげるのが吉だと思います。
性格が悪くたって生き残れる道が残されていることは、あなたにとっても良い事でしょう?。

でないとますます生まれが良い事が必須条件になってきてしまいます。

 

 

 

例によって、まとまってませんが、そろそろ、正解にたどり着くライダーが出てきてほしいということです。

 

いわゆる一般的なテクニックは高次元になるにつれ通用しなくなってしまう場合もあります。

時間的な制約も出てきますが、それよりも、低次元な内は長所があれば勝利に結びついていたものが、高次元になるにつれて長所はフラット化され、代わりに短所に足を引っ張られるようになります。

新たなテクニックが必要とされる場合もあれば、今まで通りのテクニックで高次元で成果を出すためにはそのテクニックの併せ持つ短所を地味につぶしていくというような作業が欠かせなくなってくることでしょう。

 

以上

ペドロサとマルケスのライディングの違いによるハイサイド率

でした。

 

マルケスがリカバリーしている映像もだいぶ収録されてきたのでそろそろ何をしているかが解明されてもいい時期ですね。

ハイサイド率は、実は他人からのアタックによる転倒と、単独での転倒による差だったりということもあります。

マルケスはアタックを受ける側ではなくする側で、十分経験値に基づいたアタックですからね。

そして、そもそもハイサイドは、ライダーによって左コーナーでやってしまう人と、右コーナーでやってしまう人と居ると思います。その違いは、左右の得手不得手に尽きるのでしょうが単純に整理できることもあります。

例えばアクセルコントロールを右手でするということが上げられます。

左コーナーで、必要以上にアクセル操作してしまったりするのは、フォームの問題だったりするし、右コーナーでは逆にアクセル操作しにくいことが功を奏したり、など、そもそもハイサイド率なんて簡単には整理整頓できないのは自明の理。

 

 


ソースネクスト eSHOP

ランダム記事

  1. 転倒による打撲やねん挫はライダーにとっては日常茶飯事。集中すれば痛みは吹っ飛んでしまいます。しかし、…
  2. 見た方に進むと巷ではよくいわれていますが必ずしもそうではないです。 少なくとも考え方としてそう思わ…
  3. 先に、突っ込み重視の方、次回の投稿は「四角く曲がる」です。 ラインは道なりにというと交差点はどうす…
  4. テクニック編です。 これはぜひマスターしてください。 四輪では説明できないので、二輪で説明します…
  5. 抜きたい時の攻略法 アウトインアウトとインインアウトとオーバーラン 抜いちゃいましょう 世の中、…
  6. 蹴り倒す さて、動画を拝借して、ロッシがマルケスを蹴って転ばすという高等テクニックをまねしてみまし…

Translate:

ページ上部へ戻る
Translate »