バランス能力(新解明国語辞典)

ばらんすのうりょく【バランス能力】

バランスとは姿勢制御における安定性に着目した概念で、特定の支持基底面内に身体重心線が収まっているために姿勢調節にかかわる多くの要素によって遂行されている状態のことで、「バランスが取れている」とはその状態に収まっていること。姿勢保持は
バランス行動とは、姿勢保持や姿勢修復において、姿勢規定面と身体重心線関係を適切に保ち、目的とする状態を導くために安定的に、効率的に実行させようとする意思により行われる姿勢保持的な運動のことで、例えば視覚情報や、筋・腱・関節からの情報、足裏等の圧感覚情報などによる体性感覚情報、内耳の三半器などによる前庭系の情報をもとに脳が中枢処理を行い、結果にもとづき骨格筋が実行すること。
バランス能力とはその一連の運動についての結果を評価する指標のこと。
「バランス能力に優れている」とは、その結果が素晴らしいか、失敗時における被害がより最小限に収まっていることを表す。対義語は「バランス能力に劣る」。

モーターレースでこの用語を使う場合には一般的な随意運動とはかけ離れた時間軸で対応を求められるため、単純にバランスをとる行為ではなく、バランスを保つためには何をすればよいかの能力となる。
したがってモーターレースにおいては、バランス運動あるいはバランス能力を高めるための一般的なトレーニングとかだけでは「バランス能力に劣る」と評価されてしまうことがある。

 

ということで、

モーターレースにおけるバランス能力とは「マシンの邪魔をせず、マシンから振り落とされずに適切な動作を行える能力」といいかえれたりします。
ロデオ状態ならいざ知らず、適切にセットアップされたマシンであればまさしく乗っかっているだけでOKだからです。(もちろんそのための体力や操作は必要)
ハイサイドした後のバランスでは手遅れで、ハイサイドしにくいライディングにバランス能力が問われるわけです。

どこかのTV番組で、アスリートが電車内で吊革につかまらずに立っていられるか競い合う的な発言があり、その辺の中年おじさんの能力の方がすごい的な発言をしておりましたが、そういうことです。
頑張るだけではだめで、適材適所を効率よく使うことが求められる世界といえるということです。

電車よりもバスのほうがより難易度が高く、バスでは中年おじさんではなく若めの女性のほうがより優れているよう見受けられました。

 

頑張るときの随意運動

電車の場合

電車で吊革につかまらずに頑張っている時というのは、おおよそこんな感じではないでしょうか

  1. 電車が揺れる
  2. 体が揺れてバランスが崩れる
  3. 崩れることを検知したセンサーが脳に知らせる
  4. 脳は崩れるな!がんばれという
  5. 体のどこかが頑張る
  6. だんだん重心が浮いてくる
  7. うまくいかない

まずは場所(ターゲット)を認識できていないとダメです。
次にそのアクション(何もしないアクションも含む)が正しくないとダメです。
もちろんなるべく早く対応するに越したことはありません。
更にその力の方向や力の程度が時間軸含めて適切でないとダメです
アクションが遅れると、その何らかのアクションを強く、あるいは長く作用させることが必要になります。もちろん手遅れになる場合もあります。

バランス運動には事前に行う待機運動と事後に行う事後運動とがあります。
(同時というのは事前に含まれます)
そのバランス運動は学術的には随意運動で、目的遂行のためには二つのセクションが受け持ちます。
大まかにいうと次のようなアクションといえます(正確性の保証なし)。

1.バランスが崩れる

運動系の視床⇒ 大脳基底核⇒大脳皮質の運動野と神経野
大脳基底核とはここでは判断と指令を行う前頭葉と左頭頂葉のこととにします※。

2.バランス補正

  • 大脳基底系ループ発動
    大脳皮質の運動野⇒ 大脳基底核⇒ 運動系の視床(各種センサーの事)⇒ 再び運動系の皮質に戻るループ
  • 小脳ループ発動
    大脳皮質の感覚野⇒脳幹⇒小脳⇒感覚系の視床⇒再び大脳皮質の運動野と感覚野に戻るループ。

そもそもの指令が正しくない場合には運動を実行しながら筋肉への運動指令の誤差を修正しループの発動し左右即させようとします。
そしてうまくいった場合の最適な修正パターンは次回に役立つように保存されていくそうです。

で、運動系大脳皮質はトリガーで発動し、発動後は「アクションの度合いが正しく行われたか、結果はどうか」をループさせて、ゼロに収まったら撤退するわけですね。

 

結果の保存と活用

繰り返し行うことでの修正や、睡眠時などの復習で、適切な部位や程度などの情報が修正され保存されて、次回の同様な場面での対応スピードや精度が上がっていきます。これが一般的なバランス能力の向上と言われる物だ、とします。
優先順位を上げたり、不要な選択肢を排除したり、筋肉の動作料などが正しくプリセットされたりしテイクということでしょう。

 

MotoGPにおけるバランス能力

※MotoGPとはここでは大会総称とか二輪のモーターレースの事

で、このバランス能力というのが、コーナリングのアプローチのことでスムーズにフルバンクできること。
だったらよかったのですが、今はフロントがスライドしてもリカバリーできることにシフトしてきているので話は厄介です。

厄介な原因

  • まず、各種センサーから脳に届くまでの神経経路の長さが障害になります。
  • 次に判断を行う大脳基底核ですが、学術的研究によると、答えが導かれればまだしも、判断がつかない場合はなんと集中力が落ちることが報告されています。ほとんどフリーズですね。
  • 次に、導いた答えが正しいとは限らない。
    フリーズしないで答えた指示は過去の事例の中から適切と思われるもの、あるいはわからない時のデフォルト動作を指示するわけですが、必ずしも正解とは限りません、加えて時間が経過していることも影響を受けます。
  • 同様にループ中の反応にも正誤と強弱の正確性が影響を受け続けます。

で、今までは、この場合、フロントがスライドしたら転倒やむなし、というのが通用していました。
ところがそこに件の電車の中年おじさんが表れたわけです。

バランス能力を高める

ということで中年おじさんに負けないようにします。

当たり前ですが、次のようなものです。

  • 何が起きているかを把握する
  • 何をすればよいのかを把握する
  • そのために鍛えるなり準備する

アイルトン・セナ・ダ・シルバ登場

(Ayrton Senna da Silva, 1960年3月21日 – 1994年5月1日)

このサイトではとどのつまりはスペンサーかストーナーかキースコードとかの天才とか秀才におんぶにだっこしてもらってます。
で、やっぱりループ系はセナですセナ足です。
脳みそに頼った判断や行動に任せていたのでは遅すぎたり負けてしまったりする場合の定石です。

セナ足はどっかで書きましたが小刻みなことによるメリットを活用しています。⇒アイルトンセナ足走法

  • 準備が万端である
  • うまく当たる場合がある
  • 細かい周期の分だけタイミングがジャスピンで合わせることができる
  • 操作を間違えた場合のリカバリーにも反応できる
  • 脳的には一つの正解実行中であり、仕事中で集中力も切れない

例えば中年おじさんになりたかったら、最初は小刻みな上下ジャンプから始め、前後左右への荷重移動を小刻みに行えるようにしていく、というものです。
一応セナを目指して6ヘルツ目標で。
そんな速く動かないと思ったら、まずはドラムのばち(スティックで)とか人差し指と中指で6連とかから始めるとこの程度ならできそうだと思えたりします。
ちなみにこの秒間6回は例えば、口で「パパパパパ・・・」と早口で発生した時の老化の閾値としての数値だったりします。老化が始まっていなければもっと早く出来るということです。

マスターしたらそれをライディングに当てはめます。

繰り返しますが、どこをどう動かせばいいのか知らないことには・・・・(多分千差万別)

セナ足のもう一つのメリットとしては。「その状態はニュートラルである」という結構な恩恵があります。
何方に動いてよいのかわからない時に事前にセナ足すると、それはニュートラルポジションであり、一番無難なポジションにセットできることになります。

仕上げは神経反射

やりたいことと、準備しておくことができたら最後にもう一工夫で、これらの動作をすべて、あるいは一部分を神経反射にて補完しておらえないか工夫します。
状態としてはプッシュ、プル、あるいは特定の部位をタッチさせる、とかです。

そんなものはないとかうまくいかないという意見もあるかもしれませんが、逆に動かれるよりはましというか、逆に動かれないようにコントロールするに越したことはありません。

例えば、脳が、ステアリング操作を指示する場合とかに、特定の部位をこのくらい動かせ、という信号を送るのと、もともとその動作にフィットする信号を特定の組織が勝手に送る、との違いは大きいです。
たとえ影響が軽微でも、脳からの信号を待つだけではなく、その信号から導かれる反応と神経反射による反応が似通っているかもしれません。
その部位を見つけ、正しく準備させておくことで、一丁上がりです。

以上
バランス能力における随意運動と神経反射とセナ足の関係~ 新解明国語辞典
でした。

ということで、
例えばマルケスのバランス能力の高さとかを話題にする時には、単に「自分にはできないからすごい」とか自身を見下すことを競うのではなく、どの辺をどうやっているのかを、話題にする方が建設的だということです。
それは、もはやバランス能力ではなく、知識力ともいえ、天才ではなくエリートであり秀才でありアスリートであるということにつながります。

もちろんバランス能力や体幹を鍛える一般的なトレーニングをするなとは一言も言ってません。

参考
[049] 随意運動の神経回路 a neural circuit for voluntary movement (GB#114D08)

[049] 随意運動の神経回路 a neural circuit for voluntary movement (GB#114D08)

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